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遺贈とは?相続人以外(孫・内縁の妻・団体)に財産を渡す方法|「相続させる」との違い・税金・書き方

公開日 2026年8月16日 ・ 更新日 2026年8月16日 ・ 9分で読めます

「かわいい孫に直接残したい」「籍は入れていないが、長年連れ添ったパートナーに」「お世話になった団体に寄付したい」――こうした相続人ではない相手に財産を渡す唯一の確実な方法が、遺言による遺贈(いぞう)です。

結論からお伝えします。①相続人以外は、遺言がなければ1円も受け取れません(どれだけ親しくても)。②遺言では、相続人には「相続させる」、相続人以外には「遺贈する」と書き分けます。③受け取る側には相続税の2割加算が待っており、④包括遺贈という書き方には借金まで引き継ぐリスクがあるため、原則は特定遺贈で書きます。順に解説します。

「相続させる」と「遺贈する」の使い分け

相続人には相続させる、相続人以外には遺贈すると使い分ける図。遺贈は相続税の2割加算の対象で、受け取る側は放棄も可能
図:「相続させる」と「遺贈する」― 相手で使い分ける。遺贈でも遺留分の制約は受けます。
  • 相続人へ →「相続させる」:登記を取得者が単独で申請でき、税制上も基本形。相続人への遺贈も可能ですが、あえて選ぶ理由は通常ありません
  • 相続人以外へ →「遺贈する」:孫(子が存命の場合、孫は相続人ではありません)、子の配偶者、内縁のパートナー、友人、NPO・自治体・母校など法人にも可能です

実務が変わったポイント:かつて遺贈の登記は相続人全員または遺言執行者との共同申請が必要で、これが遺贈のネックでした。2023年の改正で、相続人に対する遺贈の登記は受遺者の単独申請が可能になっています。とはいえ第三者への遺贈では今も遺言執行者の指定が実務の生命線です。執行者がいれば、相続人の協力なしに遺贈を実現できます。

包括遺贈と特定遺贈――原則は「特定」で書く

項目特定遺贈(推奨)包括遺贈
書き方「下記の預金を遺贈する」と財産を特定「遺産の3分の1を遺贈する」と割合で指定
借金の承継承継しない割合に応じて債務も承継
遺産分割への関与不要相続人との遺産分割協議に参加が必要
放棄いつでも放棄できる3か月以内に家庭裁判所で放棄の手続き
包括遺贈は「相続人と同じ立場」を与える強力な指定ですが、債務の承継と協議参加という重い副作用があります。

受遺者に負担をかけたくないなら、財産を特定した特定遺贈が原則です。

税金の注意:2割加算と不動産のコスト

  • 相続税の2割加算:配偶者・子・親以外が財産を取得すると、相続税額が2割増しになります。孫(代襲相続人でない)・兄弟姉妹・内縁・第三者はすべて対象です
  • 受遺者も相続税の計算に組み込まれます(贈与税ではありません)。基礎控除の判定にも遺贈分を含めます
  • 不動産の遺贈は、登録免許税が相続の5倍(2%)・不動産取得税もかかる(相続人への「相続させる」なら非課税)など、コストが上がります。不動産は相続人へ、金銭を第三者へという設計が税負担面では素直です
  • 遺贈寄付:国・自治体・認定NPO等への遺贈は、その財産が相続税の非課税になる制度があります。寄付先の受け入れ条件(不動産は不可の団体が多い)を生前に確認しておくとスムーズです

文例:ケース別の書き方

  1. 孫へ:「遺言者は、金200万円を、孫〇〇〇〇(平成〇年〇月〇日生)に遺贈する。」
  2. 内縁のパートナーへ:「遺言者は、下記の預金を、〇〇〇〇(昭和〇年〇月〇日生・住所〇〇)に遺贈する。」氏名+生年月日+住所で必ず特定。相続人の遺留分との衝突に最も注意が必要なケースです
  3. 団体へ:「遺言者は、金100万円を、公益財団法人〇〇(主たる事務所 〇〇)に遺贈する。」法人名・所在地は登記どおりに
  4. 共通:遺言執行者の指定を必ず入れる(「本遺言の遺言執行者として〇〇を指定する」)。予備の受遺者(先に死亡した場合の行き先)もセットで
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よくある質問(FAQ)

遺贈は受け取る側が断れますか?

放棄できます。特定遺贈はいつでも、包括遺贈は3か月以内に家庭裁判所で。生前に「受け取ってもらえるか」を本人に伝えておくのが、実現性をいちばん高めます。

死因贈与とはどう違いますか?

遺贈は遺言による一方的な指定(相手の同意不要・いつでも撤回可)、死因贈与は生前の契約(双方の合意・原則撤回に制限)です。確実に渡したい事情があるときに死因贈与が検討されますが、税負担はおおむね遺贈と同様です。

遺贈で全部渡せば、相続人には何も行きませんか?

配偶者・子・親には遺留分があり、金銭請求を受ける可能性が残ります(兄弟姉妹にはありません)。全体の配分は遺留分に配慮して設計してください。

まとめ

  • 相続人以外に残す方法は遺贈だけ。遺言がなければ1円も渡らない
  • 書き分けは「相続させる/遺贈する」。原則は財産を特定した特定遺贈で
  • 2割加算・不動産の税コスト増に注意。不動産は相続人へ、金銭を第三者へが素直
  • 遺言執行者の指定が遺贈実現の生命線。遺留分への配慮も忘れずに

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この記事の監修

ゾウゾクグループ

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