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故人のSNSアカウントはどうする?追悼と削除申請の実際
四十九日が過ぎたころ、故人のSNSに誕生日のお祝い通知が届く。あるいは、亡くなったはずの人のアカウントから広告のような投稿が流れてくる——放置されたアカウントは、遺族の心を消耗させるだけでなく、乗っ取りの標的になります。
多くのSNSには、遺族が申請できる追悼への切り替えや削除の仕組みが用意されています。スマホ自体が開けない場合の対処は「故人のスマホがロックで開けない」に、ネット銀行や有料契約の整理は「デジタル遺品の整理ガイド」に譲り、この記事ではSNSアカウントそのものの扱いに絞って解説します。
①放置されたアカウントは乗っ取り・なりすましの標的になり、詐欺の発信源に使われることもある ②選べる道は「追悼アカウントにする」「削除する」「一定期間そのまま残す」の3つ。故人の発信を残すかどうかで選ぶ ③主要なSNSには遺族が死亡を証明して申請する窓口がある。審査制で日数もかかる ④パスワードを知っていても勝手な投稿・操作は避ける。生前にエンディングノートへ希望を書いておくのが最善
放置がいちばん危ない——何が起きるか
アカウントは持ち主が亡くなっても自動では消えません。誰も見ていないアカウントは、乗っ取りの格好の標的です。乗っ取られると、故人の名前で詐欺の連絡が友人・知人に届いたり、無関係な宣伝が投稿されたりします。受け取った側は故人の名前でそれを目にするため、被害は金銭だけでなく、故人の尊厳にも及びます。
また、誕生日や「思い出」の自動通知が毎年届き続けることが、遺族や友人の負担になることもあります。「何もしない」は中立ではなく、リスクを積み上げる選択だと考えてください。
選べる道は3つ——追悼・削除・そのまま
| 選択肢 | どうなるか | 向いている場合 |
|---|---|---|
| 追悼アカウント | 投稿や写真は残り、「追悼」の表示がつく。新規ログインや不正アクセスが制限され、友人は思い出を見られる | 発信や写真を残したい |
| 削除申請 | アカウントと投稿が消える。なりすましの土台ごとなくなる | 残す必要がない・家族の負担を断ちたい |
| そのまま残す | 写真の保存や友人への周知など、整理の時間を確保できる。ただし放置リスクは残り続ける | 一時的な猶予として。期限を決めて |
迷ったら、残したい投稿や写真を先に保存してから削除という順番が、リスクと気持ちの両方に折り合いをつけやすい選択です。
遺族ができる申請の流れ
- アカウントを特定する——利用していたSNSと、アカウント名を確認します。スマホが開けなくても、友人からの情報や検索で特定できることがあります
- 各SNSの申請窓口を探す——「追悼」「故人」「アカウントの削除申請」などのヘルプ項目に、遺族向けの申請ページが用意されています。追悼機能があるもの、削除のみのものなど、対応はさまざまです
- 死亡を証明する書類を提出する——死亡診断書の写しや除籍謄本、申請者と故人の関係がわかる書類などを求められるのが一般的です。審査には日数がかかり、内容によっては認められないこともあります
- 結果を確認し、記録を残す——いつ・どのアカウントに何を申請したかを控えておくと、他の遺品整理(「遺品整理はいつから始める?」)と並行しても混乱しません
ログインできる場合の注意と、生前の備え
パスワードが分かる、またはスマホが開けてログインできてしまう場合でも、故人のアカウントでの投稿・返信・友人への連絡は慎重に。多くのSNSは規約で本人以外の利用を想定しておらず、また故人の名前で届く連絡は受け取る側を戸惑わせます。死亡の周知が必要なら、遺族自身の名前で行うほうが誠実です。やることは残したいものの保存と、正規の窓口への申請——この2つに絞りましょう。
そして、この問題も生前の備えでほぼ解決します。エンディングノートに「利用しているSNSの一覧」と「残してほしいか・消してほしいか」の希望を書いておくだけで、遺族は迷わず動けます(「エンディングノートの書き方」)。一部のSNSには、亡くなった後にアカウントを管理する人を生前に指名できる機能もあります。設定しておけば、遺族の申請はさらに簡単になります。
「どのSNSを使っているか」、家族は知りません——エンディングノートにアカウントの一覧と希望を書いておけば、残された人は正規の手続きだけで整理できます。無料・登録不要です。
エンディングノートをつくるよくある質問(FAQ)
遺族なら誰でも削除や追悼の申請ができますか?
SNSによって扱いが異なります。家族や法定相続人であることの証明を求めるのが一般的で、死亡診断書の写しや除籍謄本、申請者との関係がわかる書類の提出を求められます。友人の立場では追悼への切り替えの報告はできても、削除までは申請できない、という設計のものもあります。いずれも審査制で、申請すれば必ず認められるわけではない点は織り込んでおいてください。
パスワードを知っています。家族がログインして削除してはだめですか?
おすすめしません。多くのSNSは規約で本人以外の利用を想定しておらず、ログインの記録から不正アクセスと判定されてアカウントが凍結されるおそれもあります。また削除の操作を家族が直接行うと、後から「勝手に消した」と親族間のトラブルになることがあります。残したい写真の保存だけ済ませたら、正規の遺族向け窓口から申請する——この順番が安全です。
追悼アカウントにすると、その後も削除できますか?
多くのSNSでは可能ですが、仕様によります。追悼への切り替え後に、あらためて遺族が削除を申請できる設計が一般的です。ただし一度削除すると投稿や写真は復元できません。迷っている段階では、先に追悼アカウントにして不正アクセスを防ぎ、残したいものを保存し終えてから削除を判断する、という二段階が実務的です。家族間で意見が分かれそうなら、削除の前にひと言相談を。
故人のなりすましアカウントを見つけました。どうすればいいですか?
各SNSの通報窓口から「なりすまし」として報告してください。遺族からの報告には、死亡や関係を証明する書類の提出を求められることがあります。あわせて、そのアカウントから連絡を受けた可能性のある友人・知人に、遺族自身の名前で注意を呼びかけると被害を抑えられます。金銭被害が出ている場合は、警察や消費生活センターへの相談も検討してください。
まとめ
故人のSNSは、放置がいちばん危険です。選べる道は追悼・削除・一時保留の3つ。残したいものを保存し、遺族向けの正規窓口から死亡を証明して申請する——これが原則の流れです。パスワードを知っていても、故人のアカウントでの投稿や操作は避けること。そして生前の備えとして、エンディングノートにSNSの一覧と「残すか・消すか」の希望をひと言書いておくだけで、残される人の迷いと手間は大きく減ります。
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この記事の監修
ゾウゾクグループ
長年にわたり相続分野で積み重ねてきた経験を活かし、zouzoku(ゾウゾク)を運営しています。相続・家族信託・終活に関する書類作成ツールと解説記事を提供しています。