相続税の基礎控除とは?「3,000万円+600万円×人数」の計算方法と、かかるか5分で判定する手順
「相続税って、うちみたいな普通の家庭にもかかるの?」――結論からお伝えします。遺産の合計が基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)以下なら、相続税はかからず、申告も原則不要です。実際に相続税がかかるのは亡くなった方の1割弱で、大多数のご家庭は「かからない側」です。
ただし、①自宅の評価を入れると意外と超える、②特例を使って税額ゼロになるケースは「申告したうえでゼロ」であり無申告はNG、という2つの落とし穴があります。この記事で、計算式・人数の数え方・5分判定の手順まで確認してください。
基礎控除の計算式と早見表
| 法定相続人の数 | 基礎控除額 | よくある家族構成の例 |
|---|---|---|
| 1人 | 3,600万円 | 配偶者のみ/子1人のみ |
| 2人 | 4,200万円 | 配偶者+子1人 |
| 3人 | 4,800万円 | 配偶者+子2人 |
| 4人 | 5,400万円 | 配偶者+子3人 |
「法定相続人の数」の3つのルール
- 相続放棄した人も数に入れる(放棄がなかったものとして数える)
- 養子は実子がいる場合1人まで、いない場合2人までしか数に入れられない(節税目的の養子縁組への制限)
- 代襲相続人(孫など)は実際の人数どおり数える
「遺産」に何を入れて判定するか
- 入れるもの:預貯金・不動産(自宅は土地が路線価等、建物が固定資産税評価額で、時価より低めに評価されるのが通常)・有価証券・車・貴金属など
- みなし相続財産:死亡保険金・死亡退職金も対象。ただしそれぞれ500万円×法定相続人の数の非課税枠があり、枠を超えた分だけ加算
- 生前贈与の持ち戻し:相続開始前の一定期間(3年→7年へ延長中)の贈与も加算されます(詳細はこちらの記事)
- 引けるもの:借金・未払金などの債務、葬式費用
5分でできる判定手順
- 法定相続人の数を確定し、基礎控除額を出す(上の早見表)
- 財産目録ツールで、預貯金残高・保険金(非課税枠を引いた後)・その他財産をざっくり合計
- 不動産は、毎年届く固定資産税の課税明細書の評価額で仮置きする(土地は実際の相続税評価と差が出ますが、判定の目安には十分です)
- 債務・葬式費用を引き、基礎控除と比較する
判定の目安:基礎控除の8割を超えたら要注意ゾーンです。土地の評価方法(路線価)次第で結果が変わるため、この帯域に入ったら税理士の無料相談等で正確な評価を確認してください。ギリギリ超えないと思い込んでの無申告が、いちばん怖いパターンです。
超えていたら:申告の基本と「税額ゼロでも申告」の罠
- 期限:相続開始を知った日の翌日から10か月以内に申告・納付(遺産分割協議もここから逆算)
- 配偶者の税額軽減(1.6億円まで非課税)と小規模宅地等の特例(自宅の土地を最大8割減)は、申告して初めて使えます。「特例を使えばゼロだから申告不要」は誤りで、無申告だと特例自体が使えず追徴のリスクがあります
- 超えそうなら生前の対策も:暦年贈与・生命保険の非課税枠の活用など。ただし家族信託は節税になりません
判定の土台を、無料でつくる
判定の土台になる財産の一覧は、財産目録 無料作成ツール(登録不要)で数分で作れます。生前の対策は贈与契約書ツールもご活用ください。
よくある質問(FAQ)
基礎控除以下なら、税務署に何も連絡しなくていいのですか?
原則、申告も連絡も不要です。ただし税務署から「相続税についてのお尋ね」が届くことがあり、その場合は財産の概要を回答します。財産目録を作っておけば数分で対応できます。
名義預金やタンス預金は遺産に入りますか?
入ります。子や孫名義でも実質が故人のお金なら相続財産(名義預金)で、税務調査で最も指摘される項目です。現金・へそくりも同様です。
相続税の税率はどのくらいですか?
基礎控除を超えた部分に、法定相続分で分けたと仮定して10〜55%の累進税率を適用する仕組みです。実際の負担は特例で大きく変わるため、超える場合の試算は税理士に依頼してください。
まとめ
- 基礎控除=3,000万円+600万円×法定相続人の数。以下なら課税も申告も原則なし
- 放棄者も数に入れる・養子は制限あり・保険金は500万円×人数の非課税枠
- 基礎控除の8割超えは要注意ゾーン。特例でゼロでも申告は必要
- 期限は10か月。判定は財産目録づくりから
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この記事の監修
ゾウゾクグループ
長年にわたり相続分野で積み重ねてきた経験を活かし、zouzoku(ゾウゾク)を運営しています。相続・家族信託・終活に関する書類作成ツールと解説記事を提供しています。