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学資保険の契約者(親)が死亡したら|払込免除・契約者変更・税金
父が入っていた学資保険。保険料は誰が払うのか、満期金はもらえるのか——多くの学資保険には「契約者が亡くなったら以後の保険料を免除し、給付は予定どおり」という仕組みがあります。ただし自動では動きません。
払込免除の仕組み、契約者変更の手続き、相続税での評価、満期金の税金、育英年金付きの場合を整理します。故人の保険全般の請求は「死亡保険金の請求手続き」をどうぞ。
①契約者(親)が亡くなると、多くの契約で「保険料払込免除」が適用され、以後の保険料なしで契約が続き、満期金は予定どおり支払われる。免除の有無は契約による ②保険会社に死亡を連絡し、契約者を配偶者などに変更する。変更しないと給付金の受取などの手続きができない ③相続税では「生命保険契約に関する権利」として解約返戻金相当額が相続財産(非課税枠なし・遺産分割の対象) ④満期金は新契約者が受け取れば一時所得、受取人が子なら贈与税の対象になり得る。育英年金は年金受給権として相続税の対象
払込免除の仕組み——契約は続き、保険料だけが消える
多くの学資保険には「保険料払込免除」の仕組みがあり、契約者が亡くなると以後の払込が免除され、契約は続いて祝金・満期金は予定どおり支払われます。親が亡くなっても学費の準備が途切れない設計です。ただし①免除特約がない契約、②払い終えている契約、③契約者が祖父母や子自身の契約では違ってきます。保険証券で免除の有無をまず確かめてください。
手続き——死亡の連絡と契約者変更
- 保険会社に死亡を連絡する——以後の引き落としが止まり、死亡後の払込分は精算される
- 契約者変更の手続き——配偶者など新しい契約者に変更する。変更しないと、祝金の受取や口座変更などすべての手続きが止まる。必要書類は変更請求書、死亡診断書の写し、故人の除籍、新契約者の本人確認書類と印鑑
- 受取人の確認——受取人が「契約者」の契約では新契約者が受取人になる
- 相続の手続きとの関係——誰が新契約者になるかは遺産分割協議で決めるのが本来の形(次節)。実務では配偶者が引き継ぐことが多い
満期のときに「契約者が故人のままで受け取れない」と慌てないよう、早めに済ませてください。
相続税の扱い——解約返戻金相当額が相続財産
契約者が亡くなった時点で、この契約は「生命保険契約に関する権利」という相続財産になり、評価額は解約返戻金相当額です。保険会社に証明書を依頼すれば計算してもらえます。
この権利は、死亡保険金のような「みなし相続財産」ではなく本来の相続財産です。したがって、①生命保険金の非課税枠(500万円×法定相続人)は使えない、②遺産分割の対象になり、誰が契約を引き継ぐかを協議で決める、③相続税の申告では財産として計上する、という扱いになります。財産目録に証券番号・契約者・被保険者・受取人・満期日・解約返戻金相当額を記載してください(「相続財産の調べ方」)。
「保険料を払わずに満期金がもらえる利益」は相続時点では解約返戻金相当額の評価に織り込まれ、満期時の差額は次節の所得税の問題です。
満期金の税金と、育英年金・相続放棄の注意
満期金の税金——受取人が新契約者なら、満期金から払込保険料(故人が払った分を含む)を引いた差益が一時所得です(50万円の特別控除あり)。受取人が子の契約では契約者から子への贈与として贈与税の対象になり得ます。契約者変更の際に受取人も揃えるかを保険会社と相談してください。
育英年金付き——契約者の死亡後、子が一定年齢になるまで毎年支払われる特約です。この権利は年金受給権としてみなし相続財産(非課税枠の対象)になり、毎年の年金は運用益部分が雑所得です。保険会社に評価額を出してもらってください。
相続放棄との関係——契約を引き継ぐ権利は本来の相続財産なので、放棄した人は契約者になれず満期金も受け取れません。解約返戻金相当額を含めて財産と債務を比べ、判断してください(「相続放棄しても受け取れるお金・受け取ってはいけないお金」)。
学資保険も、財産目録の「保険」欄に——契約者・被保険者・受取人・満期日・解約返戻金相当額を書き出せば、契約者変更と相続税の申告が進みます。財産目録の下書きを画面のステップに沿って無料でつくれます。
財産目録をつくるよくある質問(FAQ)
父が亡くなった後も、保険料が口座から引き落とされています。
免除が適用されていない状態です。すぐに保険会社へ連絡し、死亡日以降の保険料の返還を求めてください。免除は死亡日にさかのぼって適用されます。口座が凍結されて引き落とせない場合も、手続きをしなければ「未納」として契約が失効する恐れがあります。優先度の高い連絡の一つです。
契約者を子(被保険者本人)に変更できますか?
子が成人していれば変更できる保険会社が多く、未成年なら親権者が契約者になるのが一般的です。誰が引き継ぐかは遺産分割協議で決めた内容と整合させてください。母が引き継げば母の一時所得、子が契約者かつ受取人なら子の一時所得です。受取人と契約者がずれると贈与税の問題が生じるため、変更時に受取人も確認を。
学資保険は遺産分割の対象ですか?母が引き継ぐことに兄弟の同意は要りますか?
厳密には遺産分割の対象で、相続人全員の合意事項です。実務では配偶者が引き継ぐことに異論が出ることは少なく、協議書に「学資保険(証券番号○○)の契約上の権利は妻○○が取得する」と一行加えて処理します。解約返戻金相当額を母の取得分に計上し、配分を調整してください。
祖父が契約者の学資保険で、祖父が亡くなりました。
祖父の死亡で払込免除が働き、契約を引き継ぐ権利(解約返戻金相当額)が祖父の相続財産になります。誰が引き継ぐかを祖父の相続人で協議し、孫の親などに変更します。孫が受取人なら満期金は新契約者から孫への贈与になる可能性があるため、変更の際に受取人の設定を確認してください。
まとめ
学資保険の契約者(親)が亡くなると、多くの契約で保険料払込免除が働き、以後の保険料なしで祝金・満期金が予定どおり支払われます。ただし保険会社への死亡連絡と契約者変更をしなければ、引き落としが続いたり給付が止まったりします。相続税では「生命保険契約に関する権利」として解約返戻金相当額が本来の相続財産(非課税枠なし・遺産分割の対象)。満期金は新契約者の一時所得、受取人が子なら贈与税の可能性、育英年金は年金受給権として課税。保険証券で契約者・被保険者・受取人・免除の有無を確認し、財産目録に載せることから始めてください。
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この記事の監修
ゾウゾクグループ
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