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相続発生後

国債・社債・投資信託の相続|評価の計算・名義変更と換金・引き継ぐか売るか

公開日 2026年9月11日 ・ 更新日 2026年9月11日 ・ 8分で読めます

親が買っていた個人向け国債・社債・投資信託——債券と投資信託は、それぞれ評価のルールが違い、株式の「4つの価格の最安値」とも異なります

種類ごとの評価の計算、名義変更と換金の手続き、協議書の書き方、引き継ぐか売るかを整理します。株式と証券口座全体の手続きは「証券口座・株式の相続手続き」をどうぞ。

この記事の要点

①個人向け国債は死亡日に中途換金した場合の受取額で評価。上場する国債・社債は最終価格+既経過利息(税引後)。非上場社債は発行価額+既経過利息 ②投資信託は基準価額×口数から解約時の税と信託財産留保額を引いた額。証券会社の「相続税評価額の証明書」で計算済みで届く ③相続届・戸籍・印鑑証明書で相続人の口座に移管する(口座がなければ開設)。分割前の換金は全員の同意が要る ④社債は発行体の信用と償還日、投信は運用コストで、引き継ぐか売るかを判断

評価のルール——国債・社債・投資信託で違う計算

種類相続税評価の計算
個人向け国債死亡日に中途換金した場合の受取額。額面+経過利子−直前2回分の利子相当額(税引後)。発行から1年未満でも相続なら換金できる特例があり、評価も同じ考え方
利付国債・地方債・上場社債死亡日の最終価格(市場価格)+既経過利息(税引後)。証券会社の相続税評価額の証明書で確認
割引債死亡日の市場価格。なければ発行価額に償還までの期間で調整した額
非上場の社債発行価額(額面)+既経過利息(税引後)。発行会社の信用状態で減額されることはまれ
投資信託次節
債券・投資信託の相続税評価(2026年8月時点)。

「既経過利息」は前回の利払い日から死亡日までの未受領の利子で、20.315%の税を引いた額を加えます。

投資信託の評価と、証明書の取り方

投資信託の評価は、死亡日の基準価額×口数を基本に、次の2つを差し引きます。

  • 解約した場合の所得税等——死亡日に解約したと仮定したときの利益(基準価額−取得価額)にかかる税(20.315%)。含み損なら差し引かない
  • 信託財産留保額——解約時に差し引かれる手数料。設定のないファンドは差し引かない

毎月分配型など日々決算型のファンドは、未収分配金(死亡日までの分配金で未払いのもの)を加え、そこにかかる税を引きます。計算は複雑ですが、証券会社や銀行に「相続税評価額の証明書」(残高証明書に評価額を記載)を依頼すれば、計算済みの額が届きます。申告書にはその証明書を添付します(「相続の残高証明書の取り方」)。

相続後に売却したときの税金は、故人の取得価額を引き継いで計算します(「相続した株を売却したときの税金」)。

手続き——名義変更か換金か・必要書類・協議書の書き方

手続きは、販売した証券会社・銀行ごとに行います。

  1. 残高証明書と評価額の証明書を依頼する——死亡日時点の銘柄・数量・評価額
  2. 遺産分割協議書に記載する——「○○証券○○支店 個人向け国債(変動10年 第○回)額面○○円」「○○投資信託 ○○口」と、銘柄・回号・数量を特定して書く。「証券口座の全財産」とまとめて書く方法もある
  3. 相続届と必要書類を提出する——相続届、故人の戸籍、相続人全員の戸籍と印鑑証明書(または法定相続情報一覧図)、協議書、取得する相続人の口座情報
  4. 移管または換金——債券・投信は「相続人の口座への移管」が原則で、相続人に口座がなければ同じ金融機関に開設する。換金して現金で受け取ることもできるが、その場合は解約手続きを相続人が行う

投資信託は口数で分割できますが、債券は最低単位があり端数が出ます。一人が取得して代償金を払うか、換金して分けることが多いです。

引き継ぐか売るかの判断

引き継ぐか売るかは、財産の性質で判断します。

  • 個人向け国債——元本保証で金利も変動型なら市場に連動。引き継いで満期まで持つのが無難。換金が必要なら中途換金(直前2回分の利子相当額が引かれる)
  • 社債——償還日と発行体の信用を確認。償還が近ければ待つ、遠く信用に不安があれば売却も。市場で売ると額面を下回ることがある
  • 投資信託——運用コスト(信託報酬)と運用方針を確認。故人が長期で持っていたファンドでも、相続人の目的に合わなければ乗り換える。毎月分配型は元本を取り崩す設計のものが多く、内容を理解してから判断する

いずれも、遺産分割前に換金するには相続人全員の同意が要ります。値動きが心配で早く売りたい場合は、協議書で「換金して現金で分ける」と定めてから手続きするか、全員の同意書を金融機関に出します。相続税の申告では死亡日の評価額で計算するため、申告後に値下がりしても税額は変わりません。

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よくある質問(FAQ)

個人向け国債は、相続人の名義に変えずに換金できますか?

できません。個人向け国債の中途換金は、名義人本人(相続後は相続手続きを経た相続人)しかできません。まず相続届で相続人の口座に移管し、その後に相続人が中途換金するか、相続手続きの中で「換金して受け取る」を選びます。発行から1年未満は本来換金できませんが、相続の場合は例外的に換金が認められます。金融機関に「相続を理由とする中途換金」と伝えてください。

投資信託を相続人3人で分けたいのですが、口数で分けられますか?

分けられます。投資信託は口数で分割でき、協議書に「○○投資信託 ○○口のうち、長男○口、長女○口、次男○口」と記載して、それぞれの口座に移管します。3人とも同じ金融機関に口座が要ります。端数が出る場合は調整します。債券は最低単位があるため口数のようには分けにくく、一人が取得して代償金で調整するか、換金して現金で分けるのが現実的です。

銀行で買った投資信託は、銀行で相続手続きをするのですか?

そうです。販売した金融機関が窓口で、銀行で買った投資信託は銀行の相続手続きの中で扱います。預金の相続届と一緒に、投資信託の移管や解約を届け出ます。銀行で買った投信を引き継ぐには、相続人がその銀行に投資信託口座を開く必要があります。開設したくなければ解約して預金で受け取ります。証券会社で買ったものは証券会社が窓口です。

評価額の計算が難しく、自分では出せません。

自分で計算する必要はありません。証券会社・銀行に「相続税評価用の残高証明書」を依頼すれば、種類ごとのルールで計算した評価額が記載されて届きます。手数料は1通数百〜千円程度。相続税の申告では、その証明書を添付します。複数の金融機関に分散していれば、それぞれに依頼します。税理士に申告を頼む場合も、この証明書を渡せば足ります。

まとめ

債券と投資信託は種類ごとに評価が違います——個人向け国債は中途換金した場合の額、上場する国債・社債は最終価格+既経過利息、投資信託は基準価額×口数から解約時の税と信託財産留保額を引いた額。計算は金融機関の「相続税評価用の残高証明書」に任せてよい。手続きは相続届と戸籍・印鑑証明書で相続人の口座へ移管し、口座がなければ開設か換金。遺産分割前の換金は全員の同意が要る。国債は満期まで持つのが無難、社債は償還日と信用、投信は運用コストで、引き継ぐか売るかを判断してください。

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この記事の監修

ゾウゾクグループ

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