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相続で確定申告が必要になるケース|「相続税」「準確定申告」との違いを判定
「相続したら確定申告が必要なの?」――この疑問が混乱しやすいのは、相続のまわりに「相続税の申告」「準確定申告」「相続人自身の確定申告」という3つの別モノの申告があるからです。
先に結論を言うと、遺産を相続しただけなら、所得税の確定申告は不要です(課税されるとすれば相続税)。確定申告が必要になるのは、相続した財産を「売った」「貸して収入を得た」など、相続をきっかけに自分に新たな所得が生まれたとき。この記事で3つの申告を交通整理し、自分に確定申告が必要かを判定できるようにします。
①相続で財産をもらうこと自体は所得税非課税。申告するなら相続税の側 ②相続人自身の確定申告が必要なのは主に4ケース:不動産や株の売却・収益物件の家賃・受取保険金が一時所得になる契約・換価分割での売却 ③準確定申告(故人の所得・4か月以内)とは別物。同じ年に複数の申告が重なることもある
3つの申告の違いを整理する
| 相続税の申告 | 準確定申告 | 相続人自身の確定申告 | |
|---|---|---|---|
| 何の税金? | 相続税 | 所得税(故人の所得) | 所得税(自分の所得) |
| 対象 | もらった遺産 | 亡くなった年の1/1〜死亡日の故人の所得 | 相続を機に自分に生じた所得(売却益・家賃等) |
| 期限 | 死亡を知った日の翌日から10か月 | 死亡を知った日の翌日から4か月 | 所得が生じた年の翌年3月15日 |
| 詳しい解説 | 相続税申告は自分でできる? | 準確定申告とは | 本記事 |
判定フロー――あなたに確定申告は必要か
確定申告が必要になる代表4ケース
- ①相続した不動産・株式を売却した(譲渡所得)。売却益が出れば申告が必要です。取得費は故人が買ったときの金額を引き継ぎ、契約書がなく不明なら売却額の5%で計算します(税負担が重くなりがちなので契約書探しは重要)。相続税を納めた人が申告期限から3年以内に売ると、納めた相続税の一部を取得費に上乗せできる「取得費加算の特例」、一定の空き家を売ったときの3,000万円特別控除など、申告してこそ使える特例があります(相続した実家をどうするか/空き家放置のリスク)
- ②収益物件(アパート・貸地)を相続した(不動産所得)。相続後の家賃はあなたの所得です。遺産分割が確定するまでの家賃は、法定相続分に応じて各相続人の所得になる点が盲点です(賃貸アパートの相続)。故人が青色申告だった場合、青色を引き継ぐには相続後一定期間内の承認申請が必要です
- ③受け取った保険金が「一時所得」になる契約だった。死亡保険金の税金は保険料の負担者で決まります。保険料を自分が払っていた契約で保険金を受け取ると、相続税ではなく自分の一時所得として確定申告の対象です(契約者・被保険者・受取人の関係は「生命保険と相続税の非課税枠」参照)
- ④換価分割で遺産を売却して分けた。不動産を売って代金を分ける換価分割では、売却益に対する譲渡所得の申告が、分け方に応じて各相続人に必要です(換価分割とは)。「代表者名義で売ったから代表者だけ申告」ではありません
相続直後は相続税の「10か月」に意識が集中しがちですが、年をまたいだ売却や家賃には翌年3月15日の確定申告期限が別に走っています。放置すると無申告加算税・延滞税の対象です。相続関連の期限は「相続手続きの期限一覧」でまとめて確認してください。
確定申告が不要なケース
- 遺産(預金・自宅・株など)をもらっただけ。相続・遺贈による取得は所得税では非課税。かかるとすれば相続税で、その要否は基礎控除で判定します(相続税の基礎控除)
- 受け取った死亡保険金・死亡退職金が「相続税の対象」の契約だった。故人が保険料を払っていた保険金や勤務先からの死亡退職金は相続税の世界の話で、所得税の確定申告は不要です(死亡退職金と非課税枠)
- 香典・弔慰金(社会通念上相当な額)。そもそも非課税です
- 相続した自宅にそのまま住んでいるだけ。売らず・貸さずであれば所得は生じません
「何を相続したか」の一覧が、すべての申告の出発点
相続税・準確定申告・確定申告のどれが必要かは、財産の中身で決まります。質問に答えるだけで財産目録を無料で作成できます。
よくある質問(FAQ)
遺産を相続したこと自体で、所得税の確定申告は必要ですか?
不要です。相続・遺贈による取得は所得税では非課税で、課税されるとすれば相続税の側です。確定申告が必要になるのは、売却益や家賃など「自分の所得」が新たに生じた場合だけです。
相続した実家を売却しました。確定申告は必要ですか?
売却益が出ていれば、売却した翌年の2月16日〜3月15日に申告が必要です。取得費加算の特例(申告期限から3年以内の売却)や空き家の3,000万円特別控除は、申告してはじめて適用されます。特例の適用可否は税理士に確認するのが安全です(専門家費用の相場)。
準確定申告と相続人自身の確定申告は、何が違うのですか?
申告する所得の主が違います。準確定申告=故人のその年の所得(4か月以内)、自身の確定申告=相続を機に自分に生じた所得(翌年3月15日)です。同じ年に両方必要になることもあります(準確定申告の要否判定)。
遺産分割がまとまる前のアパートの家賃は、誰の所得になりますか?
分割確定までの家賃は、法定相続分に応じて各相続人の不動産所得になります。後からアパートを相続しないことになっても、分割前の期間分の申告義務は消えません。
まとめ
- 相続で財産をもらうこと自体は所得税非課税。「相続税」「準確定申告」「自身の確定申告」を区別する
- 確定申告が必要なのは、売却(譲渡所得)・家賃(不動産所得)・一時所得になる保険金・換価分割の4ケースが代表
- 取得費加算の特例・空き家3,000万円控除など、申告してこそ使える減税がある
- 期限は相続税10か月と別に、翌年3月15日が走る。期限一覧で全体を管理する
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この記事の監修
ゾウゾクグループ
長年にわたり相続分野で積み重ねてきた経験を活かし、zouzoku(ゾウゾク)を運営しています。相続・家族信託・終活に関する書類作成ツールと解説記事を提供しています。