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要介護度に納得できない|区分変更と不服申立て
認定結果の通知を開いて、目を疑う——「要介護2? あんなに大変なのに」。あるいは、認定は受けたものの、その後の入院や転倒で状態が明らかに変わった。
どちらの場合も、結果を放置してはいけません。要介護度は使えるサービスの量と種類、費用、施設の入りやすさまで決める「介護の通貨」だからです。初回の認定の流れは「要介護認定の申請から結果まで」に譲り、この記事は結果に納得できないとき・状態が変わったときの対処に絞ります。
①要介護度が実態より低いと、サービスの支給限度額が足りず、自己負担の超過や我慢が生じる。特養(原則要介護3以上)など選択肢にも影響する ②対処は2つ——都道府県の介護保険審査会への不服申立て(審査請求)と、市区町村への区分変更申請。不服申立ては時間がかかるため、実務では区分変更申請を選ぶことが多い ③区分変更申請は状態が変わったときにいつでも出せる。申請から結果までおおむね30日がめやすで、再び認定調査を受ける ④調査では「いちばん悪い日の実態」が伝わるように準備する。ただし結果が下がる可能性もあるため、ケアマネジャーと事前に見立てを
低く出るとなぜ困るか——限度額と選択肢の話
要介護度が実態より低いままだと、困りごとは連鎖します。
- サービスの量が足りない——介護保険には要介護度ごとの支給限度額があり、低い区分ほど枠が小さい。枠を超えた分は全額自己負担になるため、「本当は週5回必要なデイを週3回で我慢する」事態が起きます
- 借りられる用具が制限される——介護ベッドなど、軽度では原則対象外になる福祉用具があります
- 施設の選択肢が狭まる——特養は原則要介護3以上。入所の優先度判定でも要介護度は大きな要素です(「特養の申し込み方」)
つまり要介護度のズレは、我慢と出費として家族に跳ね返ります。「まあいいか」で流してよい書類ではありません。
道は2つ——不服申立てと区分変更申請
| 方法 | 中身 | 実務上の特徴 |
|---|---|---|
| 不服申立て(審査請求) | 結果を知った日の翌日から3か月以内に、都道府県の介護保険審査会へ「判定そのものの誤り」を申し立てる | 結論まで数か月かかることがあり、その間サービスは元の区分のまま |
| 区分変更申請 | 「状態が変わった」として市区町村に再判定を申請する。いつでも申請でき、認定調査からやり直す | 結果までおおむね30日がめやす。実務ではこちらが選ばれることが多い |
制度の建て付けとしては「判定の誤りを正す」のが不服申立てですが、時間との勝負である介護の現場では、結論の早い区分変更申請を使うのが実務の定石になっています。認定直後で状態変化がない場合の申請の可否など、迷うケースは窓口・包括に率直に相談してください(「地域包括支援センターとは?」)。
実務は区分変更が早い——やり方と流れ
- ケアマネジャーに相談する——今の区分と実態のズレを具体的に伝えます。申請書の提出はケアマネジャーや包括に代行してもらえます(「ケアマネジャーの選び方・変え方」)
- 市区町村へ区分変更申請を出す——状態の変化があれば、認定の有効期間の途中でもいつでも申請できます。費用はかかりません
- 認定調査と主治医意見書——初回と同じく、調査員の訪問調査と主治医の意見書で再判定されます。入院や転倒、認知症状の進行があった場合は、主治医に最近の状態を診てもらってからのほうが意見書に実態が反映されます
- 結果はおおむね30日で通知——新しい区分は申請日にさかのぼって適用されるのが原則です。結果が出るまでの間のサービス調整はケアマネジャーと相談を
調査で実態を伝えるコツと、下がるリスク
再調査で最も多い失敗が、本人の「がんばり」で軽く見られることです。調査の日だけしっかり受け答えし、普段できないことを「できます」と言ってしまう——高齢者にはよくあることです。対策は3つ。
- 家族が同席し、普段の様子を補足する——本人の前で言いにくいことは、メモを渡すか調査員に別途伝えます
- 「いちばん大変な日」を記録して見せる——夜間の対応回数、失敗の頻度、介助にかかる時間。日付入りのメモは強い資料になります
- 盛らない——事実を具体的に。誇張は調査員に見抜かれ、心証を損ねます
最後に重要な注意をひとつ。区分変更申請は再判定なので、結果が今より下がる可能性もゼロではありません。状態が本当に重くなっているのか、記録は揃っているか——申請の前にケアマネジャーと見立てを共有し、家族の認識もそろえてから動いてください。
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家族会議合意書をつくるよくある質問(FAQ)
認定が出たばかりですが、すぐ区分変更申請を出せますか?
制度上、区分変更申請は「状態の変化」を理由とするものなので、結果直後で状態に変化がない場合は、本来は不服申立て(3か月以内)の領域です。ただし実務では、調査時に実態が伝わっていなかった事情(調査の日だけ調子がよかった等)を含めて市区町村やケアマネジャーに相談し、区分変更申請で対応する例も少なくありません。まず包括かケアマネジャーに経緯を話し、どちらの道が通りやすいか地域の実情を踏まえて判断してもらってください。
区分変更の結果が出るまで、サービスは増やせませんか?
工夫の余地があります。新しい区分は原則として申請日にさかのぼって適用されるため、ケアマネジャーが「上がる見込み」でケアプランを組み、結果を待ちながらサービスを先行させる運用が行われることがあります(見込みが外れた場合のリスクがあるため、必ずケアマネジャーの判断で)。緊急性が高い場合はその旨を市区町村に伝えると、認定を急いでもらえることもあります。抱え込まず、まず相談です。
親が調査員の前で「できます」と言ってしまいます。どうすれば?
定番の悩みで、対策も確立しています。①家族が必ず同席し、本人の回答の後に「ただ、普段は〜」と事実を補足する。②本人の前で言いづらい内容(失禁・徘徊・暴言など)は、事前にメモにして調査員へ渡すか、調査の前後に電話で伝える。③直近2週間の介助記録(日時・内容・所要時間)を見せる。調査員は「普段の状態」を知りたいので、家族からの具体的な情報はむしろ歓迎されます。恥ずかしがらず、事実をそのまま伝えてください。
区分変更を申請して、逆に要介護度が下がることはありますか?
あり得ます。区分変更申請は上げる手続きではなく再判定の手続きなので、調査の結果しだいでは現在より低い区分になる可能性もゼロではありません。リハビリの成果などで実際に状態が改善している場合は特に注意が必要です。申請の前に、ケアマネジャーと「いまの実態なら上がる見込みがあるか」を率直に見立て、夜間対応や介助量の記録を整えてから臨むのが安全です。見立てに自信がなければ、次の更新認定まで待つ判断もあります。
まとめ
要介護度のズレは、サービス量・費用・施設の選択肢すべてに響くので放置は禁物です。道は2つありますが、実務は「区分変更申請」——いつでも出せて、結果はおおむね30日、申請日にさかのぼって適用が定石。調査では家族が同席し、いちばん大変な日の記録で普段の実態を伝えてください。ただし再判定ゆえに下がる可能性もあるため、申請前にケアマネジャーと見立てを共有すること。要介護度は介護の通貨——実態に合わせて、正しく更新し続けましょう。
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この記事の監修
ゾウゾクグループ
長年にわたり相続分野で積み重ねてきた経験を活かし、zouzoku(ゾウゾク)を運営しています。相続・家族信託・終活に関する書類作成ツールと解説記事を提供しています。