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相続発生後

法定相続情報一覧図とは?自分で取得する手順・書き方・使える手続きを完全ガイド【無料】

公開日 2026年8月16日 ・ 更新日 2026年8月16日 ・ 9分で読めます

相続手続きを始めると、法務局・銀行・証券会社・年金事務所・税務署――行く先々で「亡くなった方の出生から死亡までの戸籍一式」の提出を求められます。戸籍の束は集めるのも大変ですが、本当の苦行は提出先ごとに原本を出し、返却を待ち、また次へ出す、の繰り返しです。銀行が3行あれば、それだけで数週間単位のロスになります。

この問題を解決するのが法定相続情報一覧図です。戸籍一式を一度だけ法務局に提出すると、相続関係を1枚にまとめた認証付きの図を無料で必要枚数交付してもらえ、以後の手続きでは戸籍の束の代わりにこの1枚を出せばよくなります。複数の手続きを同時並行で進められるようになる、相続実務の最強の時短アイテムです。

この記事では、制度の仕組み、自分で取得する手順と一覧図の書き方、使える手続きの範囲、よく混同される相続関係説明図との違いを解説します。

法定相続情報一覧図とは:法務局が認証する「公的な家系図」

戸籍の束を法務局に提出すると認証文つきの一覧図が交付され、相続登記・預貯金手続き・年金・相続税申告で使える流れを示す図
図:法定相続情報一覧図 ― 戸籍の束が認証つきの1枚になる。無料で必要枚数交付され、複数手続きを並行できます。
  • 正式には「法定相続情報証明制度」(2017年開始)に基づく書類
  • 被相続人と法定相続人の関係を1枚の図にし、登記官が認証文を付けたもの
  • 交付手数料は無料。何枚でも交付され、5年間は再交付も可能
  • 戸籍一式の提出に代えて、この1枚で相続関係を証明できる
注意

一覧図が証明するのは「法定相続人が誰か」だけです。「誰が何を相続するか」は証明しません。財産の分け方の証明には、別途、遺産分割協議書(または遺言書)が必要です。一覧図+協議書がワンセットと覚えてください。

使える手続き・使えない場面

手続き利用可否・補足
相続登記(法務局)○ 制度の本来の主戦場
預貯金・証券の相続手続き○ ほぼすべての金融機関で利用可。複数行に同時提出できるのが最大の効果
年金関係の手続き○ 年金事務所等で利用可
相続税の申告○ 図形式(子の続柄を「長男」等と記載したもの)であれば戸籍の代わりに添付可
自動車の名義変更○ 運輸支局で利用可
数次相続(相続中に相続人が死亡)△ 1枚の一覧図にまとめられず、被相続人ごとに別々の申出が必要
相続放棄した人がいる事実の証明× 一覧図には放棄は反映されない(放棄者も法定相続人として記載される)。放棄受理証明書を別途添付
ほぼすべての相続手続きで使えますが、放棄の事実そのものは証明できない点に注意してください。

自分で取得する4ステップ

  1. 戸籍一式を集める:被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍(除籍・改製原戸籍を含む)、住民票の除票(または戸籍の附票)、相続人全員の現在の戸籍謄本、申出人の本人確認書類が必要です。相続人の住所も載せる場合は、各相続人の住民票もあわせて用意します(載せると銀行等での住所確認がスムーズになるため記載推奨)。2024年から戸籍の広域交付が始まり、本籍地が遠方でも最寄りの市区町村窓口で多くの戸籍をまとめて取得できるようになりました。
  2. 一覧図(案)を自分で作成する:一覧図は法務局が作ってくれるのではなく、申出人が作成し、法務局が戸籍と照合して認証する仕組みです。A4縦の用紙に、被相続人を中心とした家系図の形式で作成します(下から5cmは認証文用の余白として空ける)。続柄は「長男」「長女」等と具体的に書くと相続税申告にも使えます。離婚した前配偶者は記載しません(前婚の子は記載します)。様式・記載例は法務局サイトにExcelテンプレートが公開されています。
  3. 申出書とともに法務局へ提出する:申出先は、①被相続人の最後の本籍地、②最後の住所地、③申出人の住所地、④被相続人名義の不動産の所在地、のいずれかを管轄する法務局です。窓口のほか郵送でも申出できます(返信用封筒を同封)。
  4. 交付を受ける(戸籍原本は返却される):審査には数日〜2週間程度かかります。交付時に戸籍一式の原本は返却されるため、以後は一覧図の写しだけで各手続きを進められます。足りなくなっても5年間は無料で再交付を受けられます(再交付を申出できるのは当初の申出人です)。

相続関係説明図との違い

よく似た名前の相続関係説明図は、法務局の認証がない自作の家系図です。役割が違います。

項目法定相続情報一覧図相続関係説明図
認証法務局の認証ありなし(私製の図)
効果戸籍一式の提出そのものを省略できる戸籍原本の還付(返却)を受けるための添付図
費用無料無料(自作)
向くケース提出先が多い(銀行複数・登記・税務署)提出先が1〜2か所で、認証を取るまでもない
目安として、提出先が3か所以上あるなら一覧図を取得する価値が十分にあります。
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当サイトの法定相続情報一覧図ガイドでは、記載例と申出書の書き方を図解で公開しています。あわせて、分け方を証明する遺産分割協議書は無料ツールで作成できます。相続手続き全体の段取りは死亡後の手続きチェックリストをご覧ください。

よくある質問(FAQ)

誰が申出できますか?代理も可能ですか?

申出できるのは相続人(及びその地位を承継した人)です。代理は、親族のほか、弁護士・司法書士・行政書士・税理士等の資格者に委任できます。

有効期限はありますか?

一覧図自体に法律上の有効期限はありませんが、提出先によっては「発行後〇か月以内」と求められることがあります。手続き開始の直前に取得するのが安全です。

兄弟姉妹が相続人の場合も使えますか?

使えます。ただし被相続人の親の出生までさかのぼる戸籍が必要になるなど、収集する戸籍の範囲が広がります。戸籍集めの難易度が上がるケースこそ、一度の提出で済む一覧図のメリットが大きくなります。

取得は義務ですか?

義務ではありません。戸籍の束をそのまま各所へ順番に提出する従来の方法も引き続き可能です。時間を買うための任意の制度と考えてください。

まとめ:提出先が3つ以上なら迷わず取得を

  • 法定相続情報一覧図は、戸籍の束の代わりになる法務局認証の1枚。無料・再交付可
  • 一覧図は自分で作って申出する。様式ルール(A4・下5cm余白・続柄の書き方)に注意
  • 証明できるのは相続人の範囲だけ。分け方の証明は遺産分割協議書とセットで
  • 提出先が複数あるなら、手続き期間を数週間短縮できる最強の時短アイテム

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この記事の監修

ゾウゾクグループ

長年にわたり相続分野で積み重ねてきた経験を活かし、zouzoku(ゾウゾク)を運営しています。相続・家族信託・終活に関する書類作成ツールと解説記事を提供しています。

ご利用にあたって:本記事は一般的な情報提供です。申出の細部は管轄法務局にご確認ください。制度運用は変更される場合があります(本文中の手数料・保存期間等は2026年8月時点の公表情報にもとづきます)。