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相続した株の配当金・株主優待|未受領配当の請求・死亡前後の帰属・単元未満株
証券口座の移管は済んだが、配当金の通知が故人宛てに届く。振り込めなかった配当はどうなるのか、優待券は誰のものか——配当金は「いつの分か」「どう受け取っていたか」で扱いが変わります。
死亡前後の配当の帰属、未受領配当の請求先、株主優待、特別口座と単元未満株の手続きを整理します。証券口座の移管の流れは「証券口座・株式の相続手続き」をどうぞ。
①配当金は「基準日」の株主に支払われる。基準日が死亡前なら故人の財産で、未受領分は相続財産。死亡後なら株を相続した相続人の配当所得 ②受け取れなかった配当(領収証の期限切れ、凍結口座への振込不能)は、株主名簿管理人の信託銀行に相続人が請求する。3〜5年で支払義務が消える定款が多い ③株主優待は経済的価値が小さければ計上不要。優待目的なら名義変更を急ぐ ④特別口座の株は信託銀行で手続きし相続人の証券口座へ。単元未満株は買取請求か買増で整理
配当金の帰属——基準日が死亡前か後か
配当金は基準日の株主に支払われ、基準日が死亡の前か後かで帰属が分かれます。
| 基準日 | 配当の帰属と税金 |
|---|---|
| 死亡前 | 故人の財産。受け取り済みなら預金に含まれ、未受領なら「未収配当金」として相続財産に計上(税引後の額)。相続税の対象 |
| 死亡後 | 株を相続する相続人の財産・配当所得。分割前は全員が法定相続分で取得するのが原則だが、実務では株を取得した相続人が受け取る扱いも多い |
相続税の申告では、死亡日時点で確定しているが未払いの配当を財産目録に載せます(「相続財産の調べ方」)。
受け取れていない配当金の請求先——信託銀行と期限
配当の受け取り方は、①証券口座に入る、②指定した銀行口座に振り込まれる、③郵便局で配当金領収証を現金化する、の3つで、相続で問題になるのは②と③です。
- 指定口座への振込——口座が凍結されると振り込めず、信託銀行に留め置かれる。相続人が請求して受け取る
- 配当金領収証——故人名義のため相続人が郵便局で現金化できないことが多く、信託銀行に相続人としての請求書を出す。期限切れも同様
- 証券口座に入る方式——口座の相続手続きで一緒に引き継ぐ
請求先は発行会社ではなく株主名簿管理人(信託銀行)で、配当金の通知書に記載されています。戸籍、印鑑証明書、請求書を提出します。多くの会社は定款で「支払開始から3年(または5年)を経過した配当は支払義務を免れる」と定めているため、古い未受領配当は早めに請求してください。
株主優待の扱いと名義変更のタイミング
株主優待も基準日の株主に送られ、故人名義のままなら故人宛てに届き続けます。
相続財産としての扱いは、経済的価値が小さい優待(食事券・商品券数千円分など)は、相続財産に計上しなくてよいのが実務です。高額な優待(金券を大量に受け取る、換金性が高い)は、未収配当と同様に評価を検討します。相続放棄を考えている人は、経済的価値のある優待を使うと単純承認と見られる恐れがあるため注意してください。
優待を目的に相続する場合、次の基準日までに相続人名義への移管を済ませないと、優待は故人名義で届き、長期保有の条件(○年以上継続保有)もリセットされることがあります。移管は1〜2か月かかるため、基準日から逆算して動いてください(「相続した株を売却したときの税金」)。
特別口座の株と単元未満株の相続手続き
特別口座の株——株券の電子化の際に「特別口座」で管理されている株があります。配当の通知が信託銀行から届いているのに証券会社の残高にない場合、この可能性があります。信託銀行で相続手続きを行い、相続人の証券口座に移す必要があり、特別口座のままでは売却できません。
単元未満株——100株未満の株は市場で売れません。相続後に①発行会社に買取請求して現金化する、②買い増して単元株にする、のどちらかで整理します。複数の会社にある場合、相続の際にまとめて買取請求する家が多いです。特別口座の株も単元未満株も、協議書に「○○株式会社 普通株式 ○株」と明記し、評価は上場株式と同じルールで行います。
未収配当・特別口座・単元未満株も、財産目録に——証券会社の残高に載らない株と配当を、信託銀行の通知から拾い出して書く。財産目録の下書きを画面のステップに沿って無料でつくれます。
財産目録をつくるよくある質問(FAQ)
父が亡くなった後に、父宛ての配当金領収証が届きました。郵便局で受け取れますか?
故人名義の領収証は郵便局で現金化できないことが多いです。領収証に記載された信託銀行に、相続人としての請求書と戸籍・印鑑証明書を送って受け取ります。期限切れでも同じ手続きで請求できます。
分割協議が長引いています。その間の配当は誰が受け取りますか?
法律上は相続人全員が法定相続分で取得するのが原則ですが、故人名義のままなら信託銀行に留め置かれ、名義変更後は取得した相続人に支払われます。実務では「株を取得する相続人が分割前の配当も受け取る」と協議書に定めることが多く、分けたい場合はその旨を書きます。
株主優待を相続税の申告に入れる必要はありますか?
数千円分程度の優待は経済的価値が小さいとして計上しないのが実務です。高額な金券なら評価を検討します。優待そのものより、優待の存在から「証券口座に載っていない株」がわかることのほうが、申告漏れを防ぐうえで重要です。
故人の株が特別口座にあると言われました。何をすればよいですか?
信託銀行に相続手続きの書類を請求し、相続人の証券口座への振替を申請します。口座がなければ開設します。必要書類は故人の戸籍、相続人全員の戸籍と印鑑証明書、協議書、口座情報。特別口座のままでは売却できないため、必ず証券口座に移してください。
まとめ
相続した株の配当金は基準日が死亡前なら故人の財産(未受領分は相続財産として申告)、死亡後なら相続人の財産です。故人の口座凍結で振り込めなかった配当や期限切れの領収証は、株主名簿管理人の信託銀行に相続人が請求——3〜5年で支払義務が消える会社が多いので早めに。株主優待は経済的価値が小さければ計上不要、優待目的なら基準日までに名義変更を。証券口座にない特別口座の株は信託銀行で振替、単元未満株は買取請求か買増で整理。信託銀行からの通知は、証券口座に載らない株を見つける手がかりです。
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この記事の監修
ゾウゾクグループ
長年にわたり相続分野で積み重ねてきた経験を活かし、zouzoku(ゾウゾク)を運営しています。相続・家族信託・終活に関する書類作成ツールと解説記事を提供しています。