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親が亡くなった直後にやってはいけない7つのこと|口座・遺品・実家の落とし穴
親が亡くなった直後は、やるべき手続きに追われる一方で、「良かれと思ってやったこと」が取り返しのつかない結果を生む時期でもあります。相続放棄の権利を失う、兄弟との争いの火種を作る、税務調査で疑われる──原因の多くは、最初の数週間の行動です。
この記事は「やってはいけないこと」に絞った注意リストです。逆に「やるべきこと」を期限順に確認したい方は「死亡後の手続きチェックリスト」とセットでご覧ください。
NG①:故人の口座からお金を引き出す
凍結前ならキャッシュカードで引き出せてしまいますが、借金があった場合に相続放棄ができなくなる(単純承認)、兄弟から使途不明金を疑われる、税務調査で指摘されるという三重のリスクがあります。正しい代替行動:負債の調査が終わるまで触らない。急ぎの支払いは自分の財布で立て替えて領収書を保管するか、仮払い制度を使う。詳しくは「亡くなった親の口座から引き出すとどうなる?」をご覧ください。
NG②:故人のお金で借金返済・支払いをする
督促の電話に慌てて、遺産から借金を一部返済する──この「誠実な対応」が、相続を承認したとみなされ放棄の道を閉ざす典型的な失敗です。正しい代替行動:債権者には「相続するか調査中」と伝えるにとどめ、支払いの約束をしない。まず信用情報3社への開示請求で借金の全体像を掴む(借金の調べ方と3か月の期限)。
NG③:遺言書を開封する
封のされた自筆の遺言書は、家庭裁判所の検認前に開封してはいけません。勝手に開封すると5万円以下の過料の対象になり得るうえ、「中身をすり替えたのでは」というあらぬ疑いの火種になります(開封しても遺言自体は無効になりませんが、疑念は消えません)。正しい代替行動:開封せず保管し、検認を申し立てる(検認の手続き)。公正証書遺言・法務局保管の遺言なら検認不要です(保管制度の確認方法)。
NG④:遺品の処分・形見分けを進める
「早く片付けないと」という善意の整理が、2つの問題を生みます。①価値のある遺品(貴金属・骨董・ブランド品)の処分や持ち帰りは相続財産の処分として単純承認のリスクがあること。②通帳・保険証券・借用書・権利証など、財産調査の手がかりを捨ててしまうこと。正しい代替行動:書類・郵便物は最低2〜3か月保管し、財産調査(5つの照会制度)が終わるまで、価値のある物の処分・分配は凍結する。スマホ・パソコンも消去せず保全します(デジタル遺品の扱い)。
NG⑤:実家の片付け・解約を急ぎすぎる
実家の売却手配・リフォーム・解体、賃貸の解約や公共契約の整理を勢いで進めるのは危険です。売却・解体は相続登記が済むまでそもそもできず、放棄を検討すべき事案では解約返戻金の受領や大規模な処分が単純承認と評価されるおそれがあります。また、悲しみの中での「早く手放したい」は安値売却に直結します。正しい代替行動:実家の方針(住む・貸す・売る・手放す)は財産全体が見えてから決める(実家の4択の考え方)。当面は火災保険の継続と施錠・通気の管理だけ確保します(空き家管理の最低ライン)。
NG⑥:内容を確かめずに書類へ実印を押す
「形式的なものだから」と言われて署名・押印した遺産分割協議書や銀行書類は、原則としてやり直しがききません。とくに疎遠な親族から「ハンコ代を渡すので押してほしい」と頼まれるケースでは、遺産の全体像を知らないまま実質的な相続分の放棄をしてしまう例が後を絶ちません。正しい代替行動:財産目録・残高証明書など客観資料の開示を受けてから判断する。少しでも違和感があれば、押印前に専門家へ相談する(相談先の選び方)。
NG⑦:「落ち着いてから」と期限を放置する
相続には動かせない期限があります。3か月(相続放棄・限定承認)、4か月(準確定申告)、10か月(相続税の申告・納付)、1年(遺留分侵害額請求)、3年(相続登記の義務)。とくに最初の3か月は、悲しむ間もなく過ぎます。「何もしない」は自動的に「借金ごと相続(単純承認)」を選んだことになるのがこの制度の怖さです。正しい代替行動:まず期限の一覧を確認し、逆算でスケジュールを組む(期限の一覧表)。調査が間に合わなければ、家庭裁判所への期間伸長の申立てという手もあります。
7つに共通する考え方
① 触らない──遺産(お金・モノ)は、全体像が見えるまで現状のまま保全する。
② 記録する──やむを得ず支出・移動したものは、日付・金額・理由をメモし領収書を残す。
③ 確認してから動く──押印・処分・解約の前に「これは後戻りできるか?」を自問し、できないものは専門家に確認する。
この3原則を守っている限り、7つのNGはほぼ回避できます。そして保全した情報は、そのまま財産目録づくり→遺産分割協議へと活きていきます。「やるべきこと」の順序は死亡後の手続きチェックリストで確認してください。
よくある質問
葬儀費用を故人の預金から出すのもNGですか?
相続放棄の可能性が少しでもあるなら避けるべきです。社会通念上相当な範囲の葬儀費用なら単純承認にあたらないとされた裁判例はありますが、線引きは事案ごとの判断です。自分の財布で立て替えて遺産から精算する方式が最も安全です(葬儀費用は相続税の計算上、債務控除の対象になります)。
すでにいくつかやってしまいました。もう手遅れですか?
行為の内容と金額によります。使い道を再現して記録し、残額を隔離したうえで、放棄を検討しているなら3か月の期限内に必ず弁護士・司法書士へ相談してください。自己判断で諦めるのが最悪の選択です(やってしまった後の対処)。
形見分け程度もダメなのですか?
経済的価値の乏しい思い出の品(写真・手紙・普段着など)の形見分けは、通常問題になりません。注意すべきは貴金属・時計・骨董・車など換金価値のあるものです。迷う物は財産調査が終わるまで保留にしてください。
「触らず・記録する」の受け皿に、財産目録を
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この記事の監修
ゾウゾクグループ
長年にわたり相続分野で積み重ねてきた経験を活かし、zouzoku(ゾウゾク)を運営しています。相続・家族信託・終活に関する書類作成ツールと解説記事を提供しています。