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老人ホームの種類と費用の違い|特養・有料・サ高住・グループホーム比較
「そろそろ施設を」となったとき、最初にぶつかる壁が名前の多さです。特養、老健、介護付き有料、住宅型、サ高住、グループホーム——似た名前が並びますが、分け方はシンプルで「公的か民間か」の2系統。ここさえ掴めば、候補は一気に絞れます。
この記事は施設選びの入口として、種類ごとの入居条件と費用構造の違いを一枚で比較します。費用が足りないときの打ち手は「親の施設費用が足りない」、誰が払うかの原則は「親の介護費用は誰が払う?」に委ね、ここでは選び方に集中します。
①系統は2つ。公的施設は費用が抑えられるが要介護度の条件が厳しく待機が生じやすい/民間施設は入りやすく選択肢が広いが費用は高め ②比べる軸は「入居条件(要介護度・認知症)」「初期費用」「月額」「終のすみかになるか」の4つ ③費用は地域・所得・施設で大きく変わる。相場は目安と考え、負担を軽くする制度を先に確認する
大分類:公的施設と民間施設の2系統
公的施設は社会福祉法人や自治体などが運営し、費用が抑えられる代わりに入居条件が厳しく、待機が生じやすいのが特徴です。代表が特別養護老人ホーム(特養)と介護老人保健施設(老健)。
民間施設は事業者が運営し、比較的入りやすく、サービスや住環境の選択肢が広い一方で費用は高めで、施設ごとの差も大きい。介護付き有料老人ホーム、住宅型有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)、グループホームがここに入ります。
老健は「在宅復帰に向けたリハビリの場」で、原則として長期の住まいではありません。終のすみかになり得るのは特養・介護付き有料・グループホームなどで、老健やサ高住は状態が変わると住み替えが必要になる場合があります。「今」だけでなく「進んだ後」まで見て選んでください。
主な5種類の比較表(条件・費用のめやす)
| 種類 | 系統 | 主な入居条件 | 初期費用 | 月額のめやす |
|---|---|---|---|---|
| 特別養護老人ホーム | 公的 | 原則要介護3以上(要介護1・2は特例入所あり) | 不要 | おおむね5〜15万円台 |
| 介護老人保健施設 | 公的 | 要介護1以上・在宅復帰が前提 | 不要 | おおむね8〜17万円台 |
| 介護付き有料老人ホーム | 民間 | 自立〜要介護(施設による) | 0円〜数百万円以上 | おおむね15〜35万円台 |
| サービス付き高齢者向け住宅 | 民間 | 自立〜軽度中心。介護は外部契約 | 敷金が中心(数十万円) | おおむね10〜25万円台+介護費 |
| グループホーム | 民間 | 認知症の診断+要支援2以上+同一市区町村 | 0円〜数十万円 | おおむね12〜20万円台 |
選び方の4つの軸と、見学で聞くこと
候補を絞る軸は4つだけです。①要介護度(特養は原則3以上、サ高住は軽度中心)②認知症の有無と程度(グループホームか、対応力のある施設か)③予算(初期費用と月額の両方)④立地(家族が通える距離か)。この4つで機械的に絞ってから見学に進むと、迷いが減ります。
見学で必ず聞きたいのは次の点です。
- 夜間の職員体制——人数と、緊急時に誰が判断するか
- 医療との連携——通院の付き添い、看取りへの対応可否
- 退去の条件——症状が進んだ場合や医療依存度が上がった場合に住み続けられるか
- 月額に含まれないもの——おむつ代、医療費、レクリエーション費、居室の光熱費など
- 介護付きか住宅型か——住宅型やサ高住は介護サービスが別契約で、利用量に応じて総額が変わります
費用の備え方——親のお金で払うために
施設費用は原則として親のお金から支払うのが大原則です(理由と兄弟間の考え方は「親の介護費用は誰が払う?」)。年金で足りない分をどう埋めるかが実際の論点になります。
まず使うのが公的な軽減制度——所得や資産に応じて施設の食費・居住費が下がる負担限度額認定、自己負担の上限を超えた分が戻る高額介護サービス費など。次に親の資産で、預金からの支出(「親の預金から介護費用を払うには」)、それでも足りなければ実家の売却や賃貸を検討します。
ここで多くの家庭がつまずくのが、親の判断能力が落ちた後は、預金の引き出しも実家の売却もできなくなるという壁です(できなくなること一覧)。入居費用の原資を親の資産から出す計画があるなら、その道を通れるようにする備えは元気なうちにしか作れません。実家の売却まで見据えるなら家族信託が本命です。
施設探しの前に、親の資産を1枚に——年金・預金・保険・不動産がわかれば、月額いくらまで出せるかが見え、候補が現実的に絞れます。財産目録は無料・登録不要でつくれます。
財産目録をつくるよくある質問(FAQ)
特養は安いと聞きますが、すぐ入れますか?
費用が抑えられる分、人気が高く待機が生じることが多い施設です。申込みは先着順ではなく、要介護度や在宅介護の困難度などを点数化して緊急性の高い方から入所を決める方式が一般的で、待機期間は地域と条件で大きく変わります。原則として要介護3以上が対象です。実務では、待機中の受け皿として介護老人保健施設や民間施設を併用しながら順番を待ちます。複数施設への同時申込みは可能なので、早めにケアマネジャーへ相談してください。
認知症があると、入れる施設は限られますか?
限られるというより、選び方が変わります。認知症のケアに特化した少人数の共同生活の場がグループホームで、原則として要支援2以上かつ施設と同じ市区町村に住民票があることが条件です。介護付き有料老人ホームや特別養護老人ホームも認知症の方を受け入れていますが、対応力は施設ごとに差があります。重要なのは受け入れの可否だけでなく、夜間の体制、医療との連携、症状が進んだときに住み続けられるかの3点。見学時に具体的に確認してください。
入居一時金は必ず必要ですか?返ってきますか?
必須ではありません。近年は一時金ゼロで月額を高めに設定するプランも増え、同じ施設で複数の支払い方式から選べることもあります。一時金を払った場合は、契約後一定期間内に退去したときに未償却分が返還される仕組みが設けられており、償却期間と初期償却率が返還額を左右します。パンフレットの総額ではなく、契約書の償却の条件を必ず読んでください。短期間で住み替える可能性があるなら、一時金の低いプランのほうが結果的に有利なこともあります。
親の年金だけでは足りません。子が払うしかないですか?
結論を急がないでください。順番は①負担を軽くする公的な仕組みを使い切る②親の資産から出す方法を検討する③足りない分をどうするか家族で決める、です。①には、所得や資産に応じて施設の食費・居住費が下がる負担限度額認定、高額介護サービス費、世帯分離の検討などがあります。②は預金だけでなく実家の売却や賃貸も含みますが、親の判断能力が落ちてからでは動かせません。詳しくは施設費用と介護費用の各記事へ。子の立て替えは最後の手段です。
まとめ
施設は公的(特養・老健)か民間(介護付き有料・住宅型・サ高住・グループホーム)かの2系統。公的は費用が抑えられるが条件が厳しく待機が生じやすく、民間は入りやすいが費用は高め。絞る軸は要介護度・認知症の有無・予算・立地の4つで、見学では夜間体制・医療連携・退去条件・月額に含まれない費目を確認します。そして忘れてはいけないのが原資の話。親の資産で払う計画なら、その道を通れるようにする備えは元気なうちだけです。まずは財産の見える化から始めてください。
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この記事の監修
ゾウゾクグループ
長年にわたり相続分野で積み重ねてきた経験を活かし、zouzoku(ゾウゾク)を運営しています。相続・家族信託・終活に関する書類作成ツールと解説記事を提供しています。