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相続発生後

葬祭費・埋葬料|健康保険からもらえるお金と期限

公開日 2026年9月11日 ・ 更新日 2026年9月11日 ・ 8分で読めます

葬儀にかかったお金の一部は、実は戻ってきます。故人が入っていた健康保険から、葬儀を行った遺族への給付金——国保・後期高齢者医療なら「葬祭費」、会社員の健康保険なら「埋葬料」が用意されているのです。

ただし、この給付には共通のルールがあります。申請しなければ1円も支給されず、期限は2年で時効。この記事で、自分のケースの給付名・金額・窓口を確定させ、保険証の返却(「故人の免許・マイナンバーカード」)とセットで済ませてください。

この記事の要点

①故人が加入していた健康保険から、葬儀・埋葬を行った人に給付金が出る。国民健康保険・後期高齢者医療は「葬祭費」、会社員などの健康保険は「埋葬料」 ②葬祭費の金額は自治体が定め、数万円程度(例として5〜7万円の地域が多いが、1〜3万円台の地域もある)。窓口は市区町村 ③埋葬料は全国一律5万円で、生計を維持されていた家族に支給。家族がいない場合は実費(上限5万円)の「埋葬費」を実際に埋葬した人が受け取れる。窓口は健康保険組合・協会けんぽ ④申請期限は2年(起算日は給付により異なる)。葬儀の領収書や会葬礼状を保管し、保険証の返却とあわせて申請するのが効率的。火葬のみの直葬では葬祭費が出ない自治体がある点に注意

もらえるお金の全体像——保険の種類で決まる

故人の保険給付の名前金額のめやす
国民健康保険(自営業・年金生活など)葬祭費自治体が定める数万円程度
後期高齢者医療(75歳以上)葬祭費同上(都道府県の広域連合・自治体による)
健康保険(会社員・その扶養家族)埋葬料/家族埋葬料一律5万円
業務上・通勤の死亡労災保険の葬祭料等別枠の計算式。労働基準監督署へ
給付の対応表のめやす(2026年8月時点)。まず「故人がどの保険証を持っていたか」で自分のケースを確定します。

入口はこれだけです。故人の保険証の種類=申請先と給付名。あとは各給付のルールを押さえれば、確実に受け取れます。

葬祭費——国保・後期高齢者医療の給付

葬祭費は、葬祭(葬儀)を行った人=一般に喪主に支給されます。金額は自治体・広域連合の条例で決まっており、5〜7万円の地域が多い一方、1〜3万円台の地域もあるなど地域差が大きいのが実情です。金額はお住まいではなく「故人の保険の自治体」の定めによります。

重要な注意をひとつ。葬祭費は「葬祭を行ったこと」への給付なので、通夜・告別式を行わない火葬のみ(直葬)の場合、支給対象外とする自治体があります(火葬も葬祭の一部として支給する自治体もあり、対応は分かれます)。直葬で送った方は、あきらめる前に必ず窓口へ確認を(「直葬とは?」)。

埋葬料・埋葬費——会社の健康保険の給付

会社員や退職後の任意継続の方が亡くなった場合は、健康保険から埋葬料(一律5万円)が出ます。受け取れるのは「故人に生計を維持されていて、埋葬を行う人」——典型的には同居の家族です。逆に、被扶養者(家族)が亡くなった場合は、被保険者に家族埋葬料5万円が支給されます。

身寄りがなく、生計維持関係のある家族がいない場合でも、実際に埋葬を行った人(友人・大家など)が、実費の範囲で上限5万円の「埋葬費」を受け取れます。窓口は、故人の勤務先が加入していた健康保険組合または協会けんぽ。退職から間もない死亡には給付が出る場合もあるため、退職直後の方は保険者に確認してください。

申請の実務——書類・窓口・2年の期限

  1. 書類を揃える——申請書(窓口・ホームページで入手)のほか、葬儀の領収書や会葬礼状など「葬儀を行ったこと」と「行った人」が分かる書類、振込口座、申請者の本人確認書類が基本セットです(保険者により異なります)
  2. 窓口へ出す——葬祭費は市区町村の窓口、埋葬料は健康保険組合・協会けんぽへ。保険証の返却(資格喪失)とセットで済ませるのが二度手間のない段取りです。おくやみ窓口のある自治体なら他の手続きもまとめられます
  3. 期限に注意——申請できる期間は2年で、過ぎると時効で受け取れません(起算日は葬祭を行った日・死亡日など給付により異なります)。「落ち着いてから」で後回しにするうち、忘れるのが典型的な失敗です

あわせて確認したい「もらい忘れ」が2つ——医療費が高額だった月の高額療養費の払い戻しと、未支給年金の請求です(「死亡後の年金手続き」)。死後の手続きは「もらう手続き」ほど誰も教えてくれません。チェックリストで拾い切ってください。

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よくある質問(FAQ)

葬祭費と埋葬料は、両方もらえますか?

原則としてどちらか一方です。給付は故人が加入していた保険から出るため、国保・後期高齢者医療なら葬祭費、会社の健康保険なら埋葬料と、加入先で自動的に決まります。両方の保険に同時加入することは通常ないため、二重取りの場面は基本的に生じません。なお、業務上の死亡で労災の葬祭料が支給される場合には健康保険の埋葬料との調整があるなど、例外的な調整規定はあります。迷ったら、故人の保険証(資格)を基準に窓口へ確認してください。

喪主ではない私が立て替えて葬儀費用を払いました。私が申請できますか?

給付ごとに要件が異なります。葬祭費は「葬祭を行った人」=実際に葬儀を主宰・執行した人が申請者で、多くは喪主ですが、実態として葬儀を行った人であれば喪主の肩書きにこだわらず認められます。埋葬料は「生計維持関係のある、埋葬を行う人」が受給者です。申請時には葬儀の領収書の宛名などで「誰が行ったか」を確認されるため、立て替えた方の名前で領収書をもらっておくと手続きがスムーズです。家族間の精算は、給付の受取人とは別に話し合いで決めて構いません。

葬儀から1年半経っています。今からでも間に合いますか?

間に合います。申請期限は2年なので、今すぐ動けばまだ受け取れます。必要なのは申請書と、葬儀を行ったことが分かる書類(領収書・会葬礼状)です。領収書を紛失した場合も、葬儀社に再発行や支払証明を依頼できることが多いので、あきらめずに問い合わせてください。同じ2年の時効は高額療養費などにもあるため、この機会に「もらい忘れている給付がないか」を市区町村・保険者・年金事務所の3窓口で棚卸しすることをおすすめします。

故人が会社を退職した直後に亡くなりました。埋葬料は出ませんか?

出る可能性があります。健康保険には資格喪失後の給付の仕組みがあり、退職(資格喪失)後3か月以内に亡くなった場合などに、在職時の保険から埋葬料が支給される取り扱いがあります。また、退職後に任意継続被保険者になっていた場合や、すでに国保へ切り替わっていた場合は、それぞれの保険から給付が出ます。「退職したから対象外」と自己判断せず、在職時の健康保険組合・協会けんぽに死亡日と退職日を伝えて確認してください。どこか一つの保険からは受け取れるのが通常です。

まとめ

葬儀を行った遺族には、故人の保険に応じて葬祭費(自治体により数万円)か埋葬料(一律5万円)が支給されます。鍵は3つ——①申請しないと出ない ②期限は2年 ③直葬は葬祭費の対象外になる自治体がある。葬儀の領収書を保管し、保険証の返却とセットで申請するのが最短ルートです。高額療養費・未支給年金という「もらい忘れ」も同時に棚卸しを。数万円の給付は、動いた人にだけ届くお金です。

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この記事の監修

ゾウゾクグループ

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ご利用にあたって:本記事は一般的な情報提供であり、法律・税務・宗教慣習の個別助言を行うものではありません。費用や給付・取り扱いは地域・保険者・事業者により異なり、変更されることがあります。実行にあたっては各窓口や専門家にご確認ください。(本文中の情報は2026年8月時点にもとづきます)