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相続発生後

故人の滞納税金・保険料は相続される?督促が届いたときの対応

公開日 2026年9月11日 ・ 更新日 2026年9月11日 ・ 8分で読めます

市役所から「未納の住民税があります」という通知が届き、親の滞納を初めて知る——故人の未納の税金や保険料は借金と同じ「相続債務」で、相続人が引き継ぎます

引き継ぐ種類、負担の割合、督促状への対応、払えないときの相談先、相続放棄との関係を整理します。故人の借金全般の調べ方は「親の借金は相続される?」をどうぞ。

この記事の要点

①亡くなった時点で未納の住民税・固定資産税・所得税・国民健康保険料・介護保険料は相続債務。相続人が法定相続分で納税義務を引き継ぐ ②市区町村や税務署は相続人に納税義務承継通知や督促状を送る。無視すると延滞金と差し押さえ ③死亡翌年の住民税は課税されず、固定資産税は死亡年分が故人の債務、翌年分は新所有者の債務。保険料は死亡月の前月分まで ④相続放棄をすれば納税義務も引き継がない。払えなければ分納の相談、相続税では債務控除の対象

引き継ぐ税金・保険料の種類——「亡くなった時点で未納」が基準

亡くなった時点で納付義務が発生していた税金・保険料は、故人の債務として相続人に引き継がれます

種類引き継ぐ範囲
住民税前年の所得に対して6月頃に課税される。死亡した年に課税された分の未納は相続債務。死亡の翌年は課税されない(1月1日に住んでいないため)
固定資産税1月1日の所有者に課税。死亡した年の分の未納は故人の債務。翌年分からは相続した人の債務(未分割なら相続人全員の連帯)
所得税故人の未納分は相続債務。死亡した年の所得は準確定申告で相続人が申告・納税(「準確定申告とは」)
国民健康保険料・後期高齢者医療保険料死亡月の前月分までの未納が相続債務。死亡月以降は日割りで精算され、払いすぎは還付される
介護保険料同上。65歳以上は年金天引きの分が精算される
故人の税金・保険料の相続(2026年8月時点)。

なお相続税は相続人自身の税金で、相続債務ではありません。

誰がどの割合で負担するか——法定相続分と連帯

納税義務は相続人が法定相続分に応じて分割して引き継ぐのが原則です。未納住民税30万円で子2人なら各自15万円。遺産分割で「長男が全部払う」と決めても、市区町村に対しては法定相続分の義務が残り、長男が払わなければ次男に請求が来ることがあります。

固定資産税は少し違います。死亡した年の分は故人の債務として法定相続分で引き継ぎますが、翌年以降の分は相続した人(未分割なら相続人全員が連帯)の債務になります。相続登記が済むまで「相続人代表者指定届」の提出を求められ、代表者が払って後で精算する形が一般的です。

督促状・納税義務承継通知が届いたときの対応

  1. 通知の内容を確認する——税目・年度・金額・納期限を確認し、故人の納税通知書や領収書と照らして本当に未納かを確かめる
  2. 納付するか、相談する——すぐ払えないなら納税課や税務署に分納や延長を相談する。無視すると延滞金が加算され、相続人自身の預金や給与が差し押さえられることがある
  3. 相続放棄を考えているなら払わない——受理されれば納税義務はなくなる。市区町村に「放棄を申述中」と伝える
  4. 記録を残す——誰がいくら払ったかを記録し、遺産分割で精算する

通知が届かなくても未納があることはあります。郵便物、通帳の引き落とし履歴、市区町村への納税状況の照会で確認してください(「相続財産の調べ方」)。

払えないとき・相続放棄との関係・相続税での扱い

払えないとき——故人の財産で払うのが基本で、凍結中でも仮払い制度や分割後の解約金から納付できます。生活が困難なら分納や猶予の相談を。延滞金の減免が認められる場合もあります。

相続放棄との関係——放棄すれば故人の税金・保険料の納税義務も引き継ぎません。滞納額が大きく財産が少ないなら、放棄も選択肢です(「相続放棄の手続きを自分でやる方法」)。ただし、放棄前に故人の財産から税金を払うと、相続財産の処分として単純承認になる恐れがあります。放棄を考えるなら、まず財産と債務の全体を把握してください。

相続税での扱い——未納の税金・保険料は債務控除の対象です。相続人の責任で生じた延滞金は控除できません。通知書・領収書を保管し、財産目録に「未納税金」として記載しておくと申告と精算に役立ちます(「相続税の債務控除」)。

未納の税金・保険料も、財産目録の「債務」欄に——預貯金・不動産と一緒に借金・未納金を書き出せば、相続するか放棄するかの判断と、相続税の債務控除の準備が同時にできます。画面のステップに沿って無料でつくれます。

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よくある質問(FAQ)

父の滞納した住民税の督促状が、同居していない私に届きました。私が払うのですか?

相続放棄をしていなければ、法定相続分に応じた額を払う義務があります。同居や遺産受け取りの有無は関係ありません。市区町村は一人に全額を請求することはできず、超える分を請求されたら他の相続人の分であることを伝えてください。故人の財産から払い、相続人間で精算するのが実務の形です。

死亡した年の住民税は、翌年に請求されますか?

住民税は1月1日に住んでいる人に課税されるため、死亡した翌年の住民税は課税されません。死亡した年の分は課税され、未納があれば相続債務で、日割りにはなりません。年金天引きで納めていた場合は天引きが止まり、残りの期分の納付書が相続人に送られてきます。

国民健康保険料を払いすぎていたようです。還付は誰が受け取れますか?

死亡月以降の保険料は精算され、還付金は故人の財産(相続財産)として相続人が受け取り、遺産分割の対象になります。相続人代表者宛てに通知が届き、振込先を届け出て受け取ります。相続放棄を考えている人は、受け取って使うと単純承認とみなされる恐れがあるため、受け取らないか使わずに保管してください。

固定資産税の納税通知が故人宛てに届き続けています。どうすればよいですか?

「相続人代表者指定届」を市区町村に提出し、通知の送り先となる代表者を決めてください。代表者が納付し、相続人間で精算します。未分割の間は全員が連帯して納税義務を負います。相続登記を済ませれば翌年から新所有者に通知が届きます。3年以内の登記義務もあるため、早めに登記を。

まとめ

故人の未納の住民税・固定資産税・所得税・国民健康保険料・介護保険料は相続債務で、相続人が法定相続分に応じて引き継ぎます。督促状や納税義務承継通知が届いたら、内容を確認して納付するか、分納・猶予を相談する——無視すれば延滞金と差し押さえのリスクです。死亡翌年の住民税は課税されず、保険料は日割りで精算。相続放棄をすれば納税義務も引き継がないが、放棄前に故人の財産から払うと単純承認になる恐れがあります。未納金は財産目録の債務欄に記し、相続税では債務控除に。

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この記事の監修

ゾウゾクグループ

長年にわたり相続分野で積み重ねてきた経験を活かし、zouzoku(ゾウゾク)を運営しています。相続・家族信託・終活に関する書類作成ツールと解説記事を提供しています。

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