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ゴルフ会員権・リゾート会員権の相続|3つの選択肢
遺品の中から出てきた、ゴルフ会員権の証書。「ゴルフはやらないし、そのままでいいか」——それが一番損な選択です。会員権は立派な相続財産で、しかも放置すると年会費の請求だけが続きます。
やることはシンプルで、引き継ぐか・売るか・退会するかの3択から選ぶだけ。この記事では判断基準と手続き、相続税での扱いまでを整理します。財産の洗い出し全体は「相続財産の調べ方」を参考にしてください。
①ゴルフ会員権は相続財産。相続人が引き継ぐには、クラブの承認と名義書換の手続き(名義書換料がかかるのが通例)が必要 ②使わないなら「売却」か「退会して預託金の返還請求」。売却は会員権業者経由が実務的で、相場はクラブにより大きく異なる ③相続税評価は、取引相場のある会員権なら相場のおおむね70%がめやす。放置しても課税対象からは外れない ④リゾート会員権は不動産の持分を含むタイプがあり、登記や管理費の承継まで発生する。相続放棄を検討するなら、どの会員権も使わない・手続きしないこと
会員権は相続財産——放置すると年会費が積もる
ゴルフ会員権には大きく、預託金制(クラブにお金を預けてプレー権を得る型)・株主会員制(ゴルフ場運営会社の株式を持つ型)・プレー権のみの型があります。いずれも財産的価値があり、相続の対象です。
放置の実害は2つ。まず年会費の請求は止まらず、未払いは相続債務として積み上がります。次に、相続税の申告対象からも外れません——使っていなくても評価して申告に載せる必要があります。つまり「そのまま」は選択肢にならず、3択のどれかを早めに選ぶのが正解です。
選択肢は3つ——引き継ぐ・売る・退会する
| 選択肢 | 手続きと注意 |
|---|---|
| ①引き継ぐ(名義書換) | クラブに相続の連絡→所定の書類(戸籍・遺産分割協議書等)→理事会等の承認→名義書換。名義書換料(数十万円のクラブも)と、年齢・性別・紹介者などの入会条件がある点に注意。相続の場合は書換料を減免するクラブもある |
| ②売却する | ゴルフ会員権の売買業者に相続案件として依頼するのが実務的。いったん相続人への名義変更を経てから売却する流れが一般的で、必要書類や段取りは業者が案内してくれる。相場はクラブごとに大きく異なり、値が付かない会員権もある |
| ③退会・預託金の返還請求 | 預託金制なら、退会して預託金の返還を求められる。ただし据置期間や、ゴルフ場の経営状態によっては全額戻らないリスクもある。返還条件はクラブの規約と交渉次第 |
判断の軸は、①家族にプレーする人がいるか ②売却相場と名義書換料の見合い ③預託金の額と返還の見込み。最初の一本の電話はクラブ事務局へ——「会員が亡くなったので、相続の手続きと選択肢を教えてほしい」で必要な情報が揃います。
相続税評価と遺産分割での扱い
相続税の評価は、取引相場のある会員権なら、課税時期の取引価格のおおむね70%がめやすです(預託金の扱いなどで調整が入る場合があります)。取引相場のない会員権は、預託金の返還額や株式の評価をもとに計算します。細かな評価は税理士に確認してください。
遺産分割では、「誰も使わないなら売却して代金を分ける」か「使う人が取得して他の相続人と調整する」のが典型的な落とし所です。会員権の存在と評価額を遺産分割協議書に明記しておくと、後の名義書換・売却手続きがスムーズです(「遺産分割協議書の書き方」)。なお、相続放棄を検討している場合は、名義書換や売却はもちろん、プレーの利用もしないこと——財産の処分とみなされて放棄できなくなるおそれがあります(「相続放棄を自分でやる方法」)。
リゾート会員権の特有の注意
リゾートホテルや別荘の会員権は、ゴルフと似た預託金型のほかに、施設の不動産の共有持分を持つタイプがあります。この場合は不動産の相続と同じで、持分の相続登記が必要になり、毎年の管理費・固定資産税の負担も引き継ぎます。
使わないリゾート会員権は「売れない・返せない・管理費だけかかる」という三重苦になりやすい財産です。運営会社の買い取り制度・退会条件を最初に確認し、流通市場での売却、それも難しければ引き取りサービスの利用と、出口を順に探ります。管理費の滞納は相続債務として膨らむため、方針が決まるまでの支払い管理も忘れずに。こうした「家族が知らない財産」こそ、生前に財産目録へ1行書いておく価値があります。
会員権の存在、家族は知りません——クラブ名・種類・預託金・年会費を財産目録に書いておくだけで、家族は3択の検討からすぐ始められます。無料・登録不要です。
財産目録をつくるよくある質問(FAQ)
誰もゴルフをしないので放置しています。何か問題がありますか?
2つの実害があります。まず年会費の請求が続き、未払いが相続債務として積み上がること。次に、放置していても相続税の課税対象から外れないことです。使わないなら、売却か退会(預託金の返還請求)で早めに出口を作るのが損の少ない選択です。まずクラブ事務局に相続の連絡をして、名義書換料・売却の可否・預託金の返還条件という判断材料を揃えてください。連絡した時点で以後の対応も相談できます。
名義書換料が高すぎます。払わずに売る方法はありますか?
会員権売買業者に相続案件として相談してください。売却には相続人への名義変更を挟む流れが一般的ですが、相続に伴う書換料を減免するクラブや、売却前提の手続きに慣れた業者のルートがあり、負担を抑えられる場合があります。書換料と売却相場が見合わない(費用倒れになる)会員権なら、退会して預託金の返還を求める道と比較を。いずれもクラブの規約次第なので、複数の業者に相場と段取りを聞くのが近道です。
預託金は全額返してもらえますか?
条件次第です。預託金には据置期間(この期間は返還請求できない)が設定されているのが通例で、期間経過後でも、ゴルフ場の経営状態によっては返還の減額交渉や分割払いを提示されることがあります。過去にはゴルフ場の経営破綻で預託金が大きく損なわれた例もあります。返還請求と売却のどちらが手取りで有利かは、預託金額・相場・クラブの状況で変わるため、金額が大きい場合は弁護士など専門家への相談も検討してください。
相続放棄を考えています。会員権はどう扱えばいいですか?
触らないでください。名義書換や売却はもちろん、形見のつもりでプレーに使うことも、相続財産の処分・利用として単純承認とみなされるおそれがあります。年会費の請求が来ても、相続放棄を検討中である旨を伝えて支払いは保留を。放棄が家庭裁判所で受理されれば、会員権も年会費の債務も引き継ぎません。財産と債務の全体を見て3か月の期限内に判断する必要があるため、会員権の価値の確認は早めに進めてください。
まとめ
ゴルフ会員権・リゾート会員権は、放置すると年会費だけが積もる相続財産です。選択肢は引き継ぐ(名義書換)・売る・退会して預託金返還の3つ——最初の電話はクラブ事務局へ。相続税評価は取引相場の70%がめやすで、申告からは外せません。リゾート会員権は不動産持分と管理費の承継に注意。相続放棄を考えるなら一切触らないこと。そして生前なら、財産目録の1行が家族の数か月を節約します。
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この記事の監修
ゾウゾクグループ
長年にわたり相続分野で積み重ねてきた経験を活かし、zouzoku(ゾウゾク)を運営しています。相続・家族信託・終活に関する書類作成ツールと解説記事を提供しています。