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相続発生後

遺品整理はいつから始める?自分でやる手順・業者の費用相場・相続の注意点

公開日 2026年8月24日 ・ 更新日 2026年8月24日 ・ 8分で読めます

遺品整理に法律上の期限はありません。ただし、始めてよい時期は状況で変わります。結論は3分岐——①一般的な目安は四十九日の後 ②賃貸住まいなら明け渡し期限から逆算 ③相続放棄を検討中なら手を付けない。特に③は、遺品の処分が「相続の承認」とみなされて放棄できなくなるおそれがあるため、順番を間違えると取り返しがつきません。

この記事では、始める時期の判断→自分でやる4ステップ→業者に頼む場合の費用相場と選び方、を順に解説します。亡くなった直後にやってはいけないこと全般は「親が亡くなった直後にやってはいけない7つのこと」、スマホやネット口座の整理は「デジタル遺品の整理」をあわせてどうぞ。

この記事の要点

①期限はないが、相続放棄の検討中は遺品に手を付けない。目安は四十九日後、賃貸は明け渡しから逆算 ②最初にやるのは処分ではなく「貴重品と書類の捜索→財産目録づくり」。遺言書・通帳・権利証が最優先 ③業者の費用は間取りと物量で決まり、相見積もり必須。処分・形見分けは相続人全員の了解を取ってから

いつから始める?3つの分岐で判断

遺品整理を始める時期——3つの分岐 故人の状況は? 借金があるかも (相続放棄を検討中) 賃貸住まいだった (家賃が発生し続ける) 持ち家・急ぎでない (多くの家庭がこちら) 手を付けない 放棄の判断(3か月)が先 明け渡しから逆算 大家・管理会社と相談 四十九日後が目安 親族が集まる機会に相談
図1:まず左の分岐(相続放棄)に該当しないかを確認。ここだけは順番を間違えられません。

①相続放棄を検討中なら、手を付けない——故人に借金・保証債務があるかもしれない場合、遺品の処分・売却は「相続を承認した」とみなされ(法定単純承認)、家庭裁判所への放棄申述(3か月以内・相続放棄を自分でやる方法)ができなくなるおそれがあります。まず財産と負債の調査(財産の調べ方)が先です。

②賃貸なら明け渡し期限から逆算——退去まで家賃が発生し続けるため、大家・管理会社に事情を伝えて退去日を決め、そこから逆算して進めます。③それ以外は四十九日後が一般的な目安——気持ちの区切りがつき、親族が集まる法要の機会に形見分けの相談もしやすいためです。焦る必要はありませんが、誰も住まない実家を長く放置すると管理の問題が生じます(空き家放置のリスク)。

始める前に:捨ててはいけないもの

遺品整理の最初の仕事は「捨てること」ではなく「探すこと」です。次のものは相続手続きの必需品なので、ゴミ袋を用意する前に確保してください。

処分前に必ず確保するもの①遺言書・エンディングノート(自筆の遺言書は開封せず家庭裁判所の検認へ・遺言書の検認) ②通帳・キャッシュカード・証書類(保険証券・年金手帳・権利証) ③現金(タンス預金も相続財産です) ④請求書・督促状(借金の手がかり) ⑤鍵・印鑑・スマホ(デジタル遺品の入口) ⑥位牌・仏壇などの祭祀財産(お墓の承継は別枠のルール)

見つけた財産は財産目録に書き出していきます。目録は相続放棄の判断・遺産分割・相続税のすべての土台になり、「誰が何を持って行ったか分からない」という兄弟間トラブルの予防にもなります。

自分でやる場合の4ステップ

  1. 貴重品・書類の捜索と財産目録づくり——前章のリストを、仏壇まわり・タンス・金庫・冷蔵庫など「しまい込みやすい場所」から順に。発見物は写真を撮って相続人間で共有します。
  2. 残す・形見分け・処分の3つに仕分け——迷ったものは「保留箱」へ入れて先送りにするのが挫折しないコツ。形見分けは相続人・親族の希望を聞いてから。高価な品(貴金属・美術品など)は相続財産として遺産分割の対象になるため、勝手に持ち帰らないでください。
  3. 処分・売却・寄付——自治体の粗大ごみ、リサイクルショップ、寄付を使い分けます。売却代金も相続財産として記録を残します。家電リサイクル対象品(テレビ・冷蔵庫など)は自治体回収に出せない点に注意。
  4. 清掃と、家そのものの方針決め——空になった実家を売る・貸す・住むかは「実家の相続どうする?」へ。名義変更(相続登記)は3年以内の義務です。

作業は1日で終わりません。週末ごとに部屋単位で区切る、遠方なら帰省に合わせて集中日を作るなど、「いつまでに・どの部屋を」だけ決めて小さく始めるのが現実的です。

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業者に頼む場合:費用相場と選び方

物量が多い・遠方・体力的に厳しい場合は遺品整理業者に依頼できます。費用は間取りと物量でほぼ決まります。

間取り費用のめやす(2026年8月時点)
1R・1K3万〜8万円程度
1LDK・2DK7万〜20万円程度
3LDK以上・一戸建て15万〜50万円程度(物量により上下)
追加になりやすい費用エアコン取り外し・ピアノ等の重量物・特殊清掃・買取額との相殺

選び方の要点:①必ず2〜3社から訪問見積もりを取り、内訳(作業費・処分費・買取)を比較する ②一般廃棄物収集運搬の許可(または許可業者への委託)を確認する ③「無料回収」をうたうトラックの巡回業者には依頼しない——後から高額請求される典型パターンです。貴重品の捜索(ステップ1)だけは業者任せにせず、家族の手で先に済ませてから依頼すると安心です。

よくある質問(FAQ)

遺品の中から現金や通帳が出てきたら、どうすればいいですか?

タンス預金を含む現金・通帳・株券などはすべて相続財産です。見つけた人のものにはならず、勝手に使うと後の遺産分割で使途不明金トラブルになります。発見日・場所・金額を記録して財産目録に追記し、相続人全員で共有してください。多額の現金は相続税の申告漏れが問題になりやすい典型例でもあります。

他の相続人の同意なしに遺品整理を進めていいですか?

処分は避けてください。遺品は原則として相続人全員の共有財産であり、一人の判断で捨てたり売ったりすると、価値の有無をめぐって兄弟間トラブルの火種になります(兄弟の相続が揉める理由)。仕分けや掃除は進めても構いませんが、処分・売却・形見分けは全員の了解を取ってから。「写真を撮って共有し、期限を決めて希望を聞く」方式が実務的です。

遺品整理の費用は誰が負担するのですか?

法律上の決まりはなく、相続人間の話し合いで決めます。実務では相続財産(遺産)から支出するか、家を相続する人が負担する例が多く、いずれの場合も見積書・領収書を保管して全員に共有しておくと揉めません。なお相続放棄をした人は原則として負担義務を負いませんが、放棄前に遺品を処分すると放棄できなくなるおそれがある点に注意してください。

位牌・仏壇・お墓はどう扱えばいいですか?

位牌・仏壇・お墓は「祭祀財産」といい、通常の相続財産とは別枠で、祭祀承継者が引き継ぎます(お墓は誰が継ぐ?)。遺産分割の対象ではないため、誰が引き継ぐかを家族で決めてください。処分する場合は閉眼供養(魂抜き)を経るのが一般的です。墓じまいを考える場合は「墓じまいの進め方」をどうぞ。

まとめ

遺品整理に期限はありませんが、相続放棄を検討中なら手を付けない・賃貸は明け渡しから逆算・それ以外は四十九日後が目安——この3分岐だけ最初に確認してください。始めたら、捨てる前に探す(遺言書・通帳・現金・請求書)、見つけた財産は目録へ、処分と形見分けは相続人全員の了解を取ってから。業者に頼むなら相見積もり2〜3社と許可の確認を。焦らず、小さく区切って進めれば大丈夫です。

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この記事の監修

ゾウゾクグループ

長年にわたり相続分野で積み重ねてきた経験を活かし、zouzoku(ゾウゾク)を運営しています。相続・家族信託・終活に関する書類作成ツールと解説記事を提供しています。

ご利用にあたって:本記事は一般的な制度解説であり、個別の事情に応じた法的・税務的助言を行うものではありません。業者の費用は地域・物量により大きく異なります。相続放棄や遺産分割に関わる判断は、司法書士・税理士・弁護士等へご相談のうえ進めてください。(本文中の情報は2026年8月時点にもとづきます)