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車の名義変更(相続)のやり方|必要書類・査定100万円以下の簡略手続き・軽自動車との違い
亡くなった方の車も相続財産です。名義変更(移転登録)をしないままだと、売却も廃車もできず、車検・保険・事故対応にも支障が出ます。乗り続ける場合も手放す場合も、いったん相続人への名義変更が出発点です。
手続きは、普通車と軽自動車で窓口も難易度もまったく違います。さらに普通車には、査定額100万円以下なら相続人1人の書類だけで済む「遺産分割協議成立申立書」という簡略ルートがあります。この記事で、自分の車がどのルートかを確かめながら進めてください。
まず確認:3つの分かれ道(車検証を見る)
なお、名義変更を放置した車は相続人全員の共有状態のままで、法律上は運行・処分の責任関係が宙に浮きます。乗らない車でも自動車税は毎年課され続けるため、「乗る・売る・廃車」のどれでも、まず名義変更と覚えてください。
普通車の名義変更|運輸支局での手続きと必要書類
手続き先は、新しい所有者(相続人)の住所を管轄する運輸支局です。平日のみの受付なので、行政書士やディーラーへの代行依頼(数千円〜2万円程度)も広く使われています。
| 必要書類(遺産分割協議で取得者を決める通常ルート) | |
|---|---|
| ・車検証(自動車検査証) ・故人の死亡と相続人全員が分かる戸籍一式 (法定相続情報一覧図で代替可) ・遺産分割協議書(車の取得者を明記し全員が実印を押したもの) | ・取得する相続人の印鑑証明書(発行3か月以内)と実印(または委任状) ・車庫証明(保管場所が変わる場合。同居家族が引き継ぐ場合は不要の扱いが一般的) ・手数料(移転登録500円)+ナンバー変更がある場合はプレート代 |
協議書への車の書き方(車名・車台番号・登録番号での特定)は「遺産分割協議書のケース別記載例」を参照してください。協議書自体は無料作成ツールで作れます。
査定100万円以下なら簡略ルート(協議成立申立書)
車の査定額が100万円以下であることを査定書等で示せる場合、相続人全員の実印入り協議書に代えて、車を取得する相続人1人が作成・押印する「遺産分割協議成立申立書」で移転登録ができます。必要なのは申立書+査定額100万円以下を確認できる書類(査定書など)+戸籍+取得者の印鑑証明書という構成で、他の相続人の実印・印鑑証明を集める手間がなくなるのが最大の利点です。
年式の古い車・走行距離の多い車は大半がこのルートに乗ります。中古車販売店や買取店で無料査定書を取るところから始めてください。注意点は2つ──①申立書には「遺産分割協議が成立している」ことを申し立てる意味があるため、他の相続人と車の帰属について実際に合意ができていることが前提です(無断での単独手続きはトラブルの元)。②様式・添付書類の細部は運輸支局の案内に従ってください。
軽自動車は大幅に簡単|軽自動車検査協会での手続き
軽自動車は「登録」ではなく「届出」の世界で、手続き先は軽自動車検査協会(運輸支局とは別の窓口)です。相続でも、遺産分割協議書・印鑑証明書は原則不要で、おおむね次の書類で完了します。
・車検証 ・故人の死亡と新所有者が相続人であることが分かる戸籍等 ・新所有者の住民票の写し等 ・ナンバー変更がある場合はプレート ・(協会様式の申請書。認印レベルで足りる運用が一般的)
普通車の感覚で構えていると拍子抜けするほど簡単です。ただし車自体が相続財産であることは変わらないため、誰が引き継ぐかは家族で合意し、財産目録・協議書には記載しておきましょう。
ローン中(所有権留保)・ディーラー名義の場合
車検証の所有者欄がローン会社・ディーラーになっている場合(所有権留保)、車の所有権はまだ完全には故人のものではありません。手順は次のとおりです。
① ローン会社へ連絡──死亡の事実を伝え、残債額と手続きを確認します。ローン残債は相続債務です(債務の調べ方)。
② 残債の処理──一括返済・相続人による引き継ぎ(審査あり)・車の売却額での清算などから選びます。
③ 所有権解除→名義変更──完済後にローン会社から所有権解除の書類を受け取り、通常の移転登録を行います。
放棄を考えている場合、車の売却・廃車・名義変更・ローンの返済は相続財産の処分として単純承認とみなされるおそれがあります。価値のある車の使用継続にもリスク指摘があります。判断が済むまで現状のまま保管し、駐車場所と保険(後述)だけ確保してください(直後にやってはいけないこと)。
自動車保険と税金の引き継ぎ
① 任意保険(自動車保険)──契約者の死亡を保険会社へ連絡し、名義変更(契約の承継)を行います。ノンフリート等級(割引)を引き継げるのは、原則として配偶者または同居の親族です。別居の子は等級を引き継げないのが通常なので、割引の大きい契約は誰が車を継ぐかの判断材料になります。手続き前の空白期間に無保険で運転しないよう、承継手続きは早めに。
② 自賠責保険──車とセットで承継されます。名義変更の届出を保険会社へ。
③ 自動車税(種別割)──4月1日時点の所有者(登録名義人)に課税されます。名義変更が遅れると納付書が故人宛てに届き続けるため、年度替わり前の手続きがスムーズです。
④ 相続税の評価──車も相続財産として、死亡日時点の時価(中古車査定額・売買実例価額など)で評価し、財産目録に記載します(課税の有無は基礎控除の判定へ)。
よくある質問
そのまま売却(買取店へ)はできませんか?
故人名義のままでは売却できません。ただし多くの買取店・ディーラーは「相続人への名義変更+売却」を一括代行してくれます。必要書類(戸籍・協議書または申立書・印鑑証明)は結局同じなので、売る予定なら買取店に相談して一度で済ませるのが効率的です。
廃車にする場合も名義変更が要りますか?
永久抹消・一時抹消の手続きでも、相続人であることを示す書類(戸籍等)と協議書または申立書が必要です(相続人名義への変更を経ずに抹消まで進められる運用が一般的)。解体業者・行政書士への代行依頼が実務的です。
名義変更に期限はありますか?
道路運送車両法は所有者の変更から15日以内の移転登録を定めています。相続実務でこの期間の徒過が直ちに問題化することはまれですが、放置には税・保険・売却不能・事故時の責任関係といった実害が伴います。四十九日を目安に着手する家庭が多い、というのが現場感です。
相続人の1人が反対して、協議がまとまりません。車だけ先に動かせますか?
できません。車も遺産分割の対象なので、帰属の合意なしに名義変更・処分はできません(100万円以下の申立書ルートも合意が前提です)。車の保管費・税金が無駄に出続けることを示して協議を促し、動かなければ全体の調停の中で扱うことになります(揉めたときの進め方)。
車の取得者を決めたら、協議書に1行残すところまで
車台番号入りの記載にも対応した遺産分割協議書を、ステップに沿って入力するだけで無料作成。運輸支局にもそのまま使えます。
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この記事の監修
ゾウゾクグループ
長年にわたり相続分野で積み重ねてきた経験を活かし、zouzoku(ゾウゾク)を運営しています。相続・家族信託・終活に関する書類作成ツールと解説記事を提供しています。