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相続手続きを自分でやる範囲・頼む範囲|難易度と時間の目安・頼むべき条件
「相続手続きは自分でできますか?」——答えは「手続きによる」です。役所や預金は自分で、相続税の申告や争いは専門家、その間に条件次第の相続登記。全部自分でやるのも、全部頼むのも、たいてい非効率です。
手続きごとの難易度と時間、頼むべき条件、費用の比較を整理します。専門家ごとの費用は「相続を専門家に頼む費用の相場」、相談先の選び方は「相続の相談はどこにすべき?」をどうぞ。
①自分で進めやすい:役所の届出、年金、健康保険、預金の残高証明と解約、保険金の請求、相続放棄の申述、準確定申告 ②条件次第:戸籍の収集、法定相続情報一覧図、遺産分割協議書、相続登記(相続人が少なく、不動産が1〜2件で、住所がつながるなら自分で可) ③頼むべき:相続税の申告(基礎控除超)、争いがある場合の交渉・調停(弁護士)、数次相続や海外在住者・認知症の相続人がいる登記 ④費用は、自分でやれば実費数万円、まるごと頼めば20万〜50万円程度、税理士の申告は遺産総額の0.5〜1%程度
手続きごとの難易度・時間・必要書類の一覧
| 手続き | 難易度 | 時間のめやす | 判断 |
|---|---|---|---|
| 死亡届・葬祭費・年金停止・健康保険 | 易 | 各1〜2時間 | 自分で |
| 預金の残高証明・解約 | 易〜中 | 1行あたり半日×2回 | 自分で |
| 相続放棄の申述 | 中 | 半日+郵送 | 自分で可。期限厳守 |
| 準確定申告 | 中 | 半日〜1日 | 収入が給与・年金だけなら自分で |
| 戸籍の収集 | 中 | 1〜3週間 | 広域交付で自分で可。転籍が多いと専門家 |
| 遺産分割協議書 | 中〜難 | 1〜2日(協議は別) | 財産が少なければ自分で。不動産の記載は要注意 |
| 相続登記 | 中〜難 | 2〜4週間 | 単純なら自分で。数次相続・住所不一致は司法書士 |
| 相続税申告 | 難 | 2〜3か月 | 基礎控除超なら税理士 |
| 相続人間の争い | 難 | 半年〜数年 | 弁護士 |
「時間」は作業時間で、待ち時間は別です。平日に動けるかどうかが、自分でやるか頼むかを分ける現実的な軸です(「相続手続きの期限一覧」)。
自分で進めやすい手続き——役所・年金・預金・放棄
役所・年金の手続き——死亡届、葬祭費、年金の受給停止と未支給年金、健康保険、世帯主変更。窓口に行けば案内があり、必要書類も定型的です。「おくやみ窓口」があれば一度で済みます(「親が亡くなったらやること全リスト」)。
預金・保険——銀行所定の書類に相続人全員が署名押印し、戸籍と印鑑証明書を添えれば自分でできます。手間は「銀行の数×2回の来店」程度。保険金の請求は受取人が単独で。
相続放棄——書式は家庭裁判所のホームページにあり、3か月の期限と、放棄前に財産に手を付けないことの2点を守れば自分で進められます。迷う場合や期限を過ぎている場合は専門家へ(「相続放棄の手続きを自分でやる方法」)。
準確定申告——収入が年金と給与だけなら相続人が作って提出できます。事業所得や不動産所得があれば税理士へ。
条件次第の手続き——戸籍・協議書・相続登記
戸籍の収集——広域交付制度で最寄りの市区町村でまとめて取れるようになりました。転籍が多い・古い戸籍が読めない・兄弟姉妹が相続人、といった場合は司法書士が確実です。法定相続情報一覧図を作ると以後の手続きが楽になります(「法定相続情報一覧図とは」)。
遺産分割協議書——財産が預金と自宅程度なら、ひな形をもとに自分で作れます。注意点は不動産の記載と後日判明した財産の条項。財産が多い、代償分割を含む、相続人が多い場合は専門家に頼むと手戻りを防げます。
相続登記——①相続人が単純で全員が協力的、②不動産が1〜2件で同じ法務局、③住所がつながる、④数次相続がない、が揃えば自分で可能。一つでも外れるなら司法書士へ。数次相続と住所不一致は補正が繰り返され、結局依頼することになりがちです(「家の名義変更(相続登記)を自分でやる方法」)。
頼むべき7つの条件と、費用の比較
次の7つのいずれかに当てはまるなら、最初から専門家に頼むほうが時間も費用も少なくなります。
- 相続人が5人以上、または兄弟姉妹・甥姪が相続人——戸籍の範囲が広く、書類の回収に時間がかかる
- 数次相続がある——祖父名義のまま父も亡くなった、など
- 相続人に海外在住者・行方不明者・認知症の人・未成年がいる——サイン証明・管理人・後見人・特別代理人が要る
- 不動産が3件以上、または複数の法務局にまたがる
- 遺産が基礎控除を超える——相続税の申告が要る。土地の評価と特例は税理士の領域
- 平日に動ける人がいない——役所・銀行・法務局は平日のみ
- 相続人の間に対立がある——交渉・調停は弁護士のみ
費用の比較——自分でやれば実費だけで数万円。司法書士にまるごと頼めば20万〜50万円程度、登記だけなら5万〜15万円程度。税理士の申告は遺産総額の0.5〜1%程度。「役所と預金は自分で、登記と申告は頼む」分担が最も多い形です。財産の一覧と相続人の関係図を自分で用意しておけば、見積りが正確になり報酬も抑えられます。
自分でやるか頼むかを決めるには、まず財産の全体像——預金・不動産・保険・借金を書き出した財産目録があれば、基礎控除を超えるか、登記が単純かが見え、頼む範囲が決まります。画面のステップに沿って無料でつくれます。
財産目録をつくるよくある質問(FAQ)
相続手続きを全部自分でやると、どのくらいの期間がかかりますか?
標準的な家で平日に動ける人がいれば3〜6か月がめやすです。死亡後1か月で役所と年金、2〜3か月で戸籍と協議、その後1〜2か月で解約と登記。平日に動けない、相続人が遠方なら1年近くかかることも。期限があるのは相続放棄(3か月)・準確定申告(4か月)・相続税申告(10か月)・相続登記(3年)です。
司法書士と行政書士、どちらに頼めばよいですか?
不動産の相続登記があるなら司法書士です。登記の申請代理は司法書士(と弁護士)にしかできません。行政書士は戸籍収集・協議書・預金や車の名義変更を扱えますが登記はできません。不動産がなければ行政書士でも足ります。司法書士に頼めば必要に応じて税理士や弁護士を紹介してもらえます。
自分で相続登記をして、途中で行き詰まりました。司法書士に引き継げますか?
引き継げます。集めた戸籍・除票・評価証明書・協議書はそのまま使え、司法書士は補正が必要な点を直して申請します。費用は登記だけで5万〜15万円程度。行き詰まりの多くは住所の不一致か数次相続なので、その部分だけ相談する形でも構いません。
専門家に頼む場合、こちらで用意しておくと安くなるものはありますか?
財産目録、相続人の関係図、通帳・権利証・保険証券の写し、取得済みの戸籍を揃えて相談すると、調査の手間が減り見積りが正確になります。「何があるかわからないので全部調べてほしい」という依頼は調査費用が上乗せされます。
まとめ
相続手続きは「役所・年金・預金・相続放棄は自分で、相続税の申告と争いは専門家へ、相続登記は条件次第」が基本の切り分けです。相続人が少なく、不動産が1〜2件で、住所がつながり、数次相続がなければ登記も自分で可能。頼むべき条件は、相続人が多い・数次相続・海外在住者や行方不明者・不動産が複数・基礎控除超・平日に動けない・対立がある、の7つ。費用は自分でやれば実費数万円、まるごと頼めば20万〜50万円程度。財産目録と相続人の関係図を自分で用意すれば、頼む範囲が絞れて報酬も抑えられます。
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この記事の監修
ゾウゾクグループ
長年にわたり相続分野で積み重ねてきた経験を活かし、zouzoku(ゾウゾク)を運営しています。相続・家族信託・終活に関する書類作成ツールと解説記事を提供しています。