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相続税の計算方法をわかりやすく|税率の早見表と3ステップの計算例

公開日 2026年8月23日 ・ 更新日 2026年8月23日 ・ 9分で読めます

相続税の計算は一見複雑ですが、実は「①課税される遺産の総額を出す → ②いったん法定相続分で分けたと仮定して税率表を当て、相続税の総額を出す → ③実際に取得した割合で各人に割り振る」の3ステップに整理できます。

この記事は「うちはいくらかかるのか」を自分で概算できるようになることがゴールです。そもそも相続税がかかるかどうか(基礎控除を超えるか)の判定から始めたい方は、先に「相続税の基礎控除はいくら?かからないケースの判定」をお読みください。

この記事の要点

①相続税は「各人の取り分に直接税率を掛ける」のではなく、遺産全体でまず総額を計算する二段構え ②税率は10〜55%の超過累進で、速算表を使えば一発で計算できる ③配偶者は1億6,000万円まで実質非課税だが、寄せすぎると二次相続で損をすることがある

計算の全体像――3ステップの流れ

ステップ① 遺産−債務・葬式費用 −基礎控除 =課税遺産総額 ステップ② 法定相続分で分けたと 仮定して税率表を適用 =相続税の総額 ステップ③ 実際の取得割合で按分し 配偶者軽減などを控除 =各人の納税額 ポイント:総額は「誰がいくらもらうか」に関係なく決まる 分け方で変わるのはステップ③(各人の負担と控除)だけ
図:相続税計算の3ステップ。分け方でごまかせないよう、総額を先に確定させる仕組みです。

重要なのは、相続税は「各人がもらった額に直接税率を掛ける」税金ではないということです。まず遺産全体で「相続税の総額」を確定させ、それを実際にもらった割合で分担します。この二段構えのため、法定相続人の数が同じなら、分け方をどう変えても総額は変わりません。

ステップ①:課税遺産総額を出す

計算式は次のとおりです。

課税遺産総額 = 正味の遺産額 −(3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数)

  • 正味の遺産額:預貯金・不動産・株式などのプラス財産から、借金・未払金・葬式費用を引いた額。財産の洗い出し方は「相続財産の調べ方」を参考に、財産目録に整理すると計算がぐっと楽になります
  • 生命保険金・死亡退職金:それぞれ500万円×法定相続人の数まで非課税です(生命保険の非課税枠
  • 不動産:時価ではなく相続税評価額(路線価等)で計算します(相続不動産の評価方法)。自宅の土地は小規模宅地等の特例で評価額が最大8割減になることがあります(小規模宅地等の特例
  • 生前贈与の持ち戻し:死亡前7年以内(段階的に拡大中)の暦年贈与などは遺産に加算します(生前贈与の7年ルール

基礎控除の詳細と「そもそもかかるかどうか」の判定は「相続税の基礎控除」に譲り、ここから先は基礎控除を超えた場合の計算に進みます。

ステップ②:税率表で「相続税の総額」を出す

課税遺産総額をいったん法定相続分どおりに分けたと仮定し、各人の仮の取得額に下の速算表を当てはめ、出てきた税額を合計します。これが「相続税の総額」です。

法定相続分に応ずる取得金額税率控除額
1,000万円以下10%
3,000万円以下15%50万円
5,000万円以下20%200万円
1億円以下30%700万円
2億円以下40%1,700万円
3億円以下45%2,700万円
6億円以下50%4,200万円
6億円超55%7,200万円
相続税の速算表(2026年8月時点)。「取得額×税率−控除額」で計算します。

計算例:遺産1億円(正味)、相続人は妻と子2人

  1. 基礎控除=3,000万円+600万円×3人=4,800万円。課税遺産総額=1億円−4,800万円=5,200万円
  2. 法定相続分で仮に分ける:妻1/2=2,600万円、子は各1/4=1,300万円ずつ
  3. 速算表を適用:妻 2,600万円×15%−50万円=340万円/子 各1,300万円×15%−50万円=145万円×2人
  4. 合計:340万円+145万円+145万円=相続税の総額630万円

ステップ③:実際の取得割合で割り振り、控除を引く

相続税の総額を、実際に遺産を取得した割合で各人に按分します。上の例で妻が遺産の60%、子が20%ずつ取得したなら、妻378万円・子各126万円が「割り振り後の税額」です。ここから各人の控除・加算を反映します。

  • 配偶者の税額軽減:配偶者の取得分は1億6,000万円または法定相続分のいずれか多い額まで非課税。上の例では妻の378万円は全額ゼロになり、実際の納税は子の252万円だけです
  • 2割加算配偶者・子・親以外の人(兄弟姉妹や孫など)が取得すると税額が2割増しになります
  • その他の控除:未成年者控除・障害者控除・10年以内に相続が続いた場合の相次相続控除などがあります
「全部配偶者に」は二次相続で高くつくことがあります

配偶者の税額軽減で一次相続の税額をゼロにしても、その財産は配偶者が亡くなる二次相続でまるごと子に課税されます。二次相続では配偶者軽減が使えず基礎控除も減るため、トータルでは損になるケースが典型的です。分け方を決める前に「二次相続とは?一次相続の分け方で税額が変わる」をご確認ください。

遺産額別・相続税の早見表

相続人が「妻+子2人」のケースで、法定相続分どおりに分けたと仮定した相続税の総額の目安です(配偶者の税額軽減を適用する前の金額)。

正味の遺産額課税遺産総額相続税の総額(目安)
4,800万円以下0円0円(基礎控除内)
6,000万円1,200万円120万円
8,000万円3,200万円350万円
1億円5,200万円630万円
1億5,000万円1億200万円1,495万円
2億円1億5,200万円2,700万円
妻+子2人(基礎控除4,800万円)の場合。実際の納税額は分け方と配偶者軽減でさらに下がります。
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計算の第一歩は、財産の棚卸しから

相続税の計算は「財産がいくらあるか」を正確に把握するところから始まります。質問に答えるだけで財産目録を無料で作成できます。

よくある質問(FAQ)

相続税の計算は自分でもできますか?

預貯金が中心のシンプルな遺産なら、この記事の3ステップで概算は出せます。ただし不動産の評価・小規模宅地等の特例・生前贈与の持ち戻しが絡むと一気に難しくなります。概算で相続税がかかりそうなら、申告は税理士への依頼を検討しましょう。費用の相場は「相続の専門家費用はいくら?」にまとめています。

相続税の申告と納付の期限はいつですか?

死亡を知った日の翌日から10か月以内に、申告と納付(原則現金一括)の両方を行います。遅れると延滞税・無申告加算税の対象になり、小規模宅地等の特例が使えなくなるおそれもあります。他の手続きの期限との関係は「相続手続きの期限一覧」で確認できます。

配偶者は1億6,000万円まで相続税がかからないと聞きましたが本当ですか?

本当です。配偶者の税額軽減により、1億6,000万円か法定相続分のいずれか多い額まで、配偶者に相続税はかかりません。ただし適用には申告が必要で、配偶者に寄せすぎると二次相続で子の負担が増える点は本文のとおりです。

生前贈与された財産も相続税の計算に含まれますか?

遺産を取得した人が死亡前7年以内(段階的に拡大中)に受けた暦年贈与は持ち戻して計算します(7年ルールの詳細)。また相続時精算課税を使った贈与も原則すべて加算対象です。

まとめ

  • 相続税は「①課税遺産総額→②法定相続分按分で総額→③実際の割合で割り振り」の3ステップで計算する
  • 税率は10〜55%の超過累進。速算表の「取得額×税率−控除額」で計算できる
  • 妻+子2人・遺産1億円なら相続税の総額は630万円。配偶者軽減でさらに下がる
  • 配偶者に寄せすぎると二次相続で逆に高くつく。分け方は二次相続まで見て決める

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この記事の監修

ゾウゾクグループ

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ご利用にあたって:本記事は一般的な情報提供であり、税務アドバイスではありません。税率・控除額等は2026年8月時点の情報にもとづきます。税制は改正されることがあるため、実際の申告にあたっては国税庁の最新情報をご確認のうえ、個別の事情については税理士等の専門家にご相談ください。